出会い系アプリを発端にした事件防ぐため、Tinderが警報システム導入

デート中のユーザーの安全を確保するために、Tinderが非常ボタンなどの新機能を追加。(Omar Marques/SOPA Images/LightRocket/Getty Images)

デートが危険な状況に発展した場合にユーザーの身を守るため、非常ボタンといった新たな安全機能を「Tinder」が導入する予定だ。セキュリティ対策アプリNoonlightのツールでユーザーの位置情報を追跡し、場合によっては警察にも通報する。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。

Tinderの親会社であるMatch Group社が最近株式を購入したセキュリティ対策アプリNoonlightから技術提供を受ける(同じ機能は、OKCupidやPlentyOfFishといったMatch Group社の別の出会い系アプリにも随時盛り込まれる予定)。安全対策強化の背景には、デートアプリを通じて知り合い、殺人や性的暴行に発展したという報告が相次ぐ中、Tinderがユーザーの安全対策が十分でないとの非難にさらされている事実がある。

「出会い系ビジネスを運営するには、母親になったつもりで取り組むべきです」というのは、Match Groupのマンディ・ギンズバーグCEOだ。「安全、とくに我が社のプラットフォームの安全に関しては私も十分考えています。危険にどう対応すればいいか。ユーザーの皆さんにも注意していただきたい点はたくさんあります。ですが、それに加えて我々もツールを提供できるのであれば、そうするべきでしょう」

Tinderに搭載されるNoonlightの機能は、まずプロフィール用のバッチの提供からスタートする。Tinderのエリー・サイドマンCEOはこれを、「警報装置があります」という庭の看板になぞらえた。さらにユーザーは、いつどこで会ったか、他のユーザーの情報など、デートに関する特定の情報を記録することができる。

ただし、警報機能を正しく作動させるためには、ユーザーはデート中の位置情報追跡をNoonlightに許可しなくてはならない。だがギンズバーグ氏いわく、Noonlightは位置情報をMatch Groupとは共有せず、マーケティングその他の目的にも使用しないという。

Noonlightの警報システムの仕組みはこうだ。警報がいったん作動すると、ユーザーはコードの入力を求められる。入力がない場合、Noonlightは携帯メールを送信する。これにも返信がない場合、ユーザーの下に電話をかける。電話にも応答がない場合、あるいはユーザーが助けを必要としているとNoonlightが途中で判断した場合、緊急通報が発信される。誤報だと思われる場合には、「最悪の場合、スタッフが自宅へ向かってドアをノックします」とギンズバーグ氏は述べた。

TinderはNoonlightの新機能に加え、アップロードした画像と本人が本当に同一人物かを判断する新たな認証サービスの導入も検討している。だが、性犯罪者を特定する広汎な経歴チェック機能の導入は当分予定されていないようだ。Tinderは無料アプリであるため、経歴チェックに必要な必須情報(フルネームや請求先住所)の提供をユーザーに義務付けていない。ただし有罪判決を受けた性犯罪者を特定した場合には、アプリから除外する措置はすでに講じられている。

Translated by Akiko Kato

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