マカロニえんぴつが体現する「カッコよさ」と「ダサさ」のベストバランス

マカロニえんぴつのはっとり(Vo, Gt)(Photo by Takuro Ueno)

「ツタロックフェス2020」にも出演する神奈川出身の4ピースロックバンド、マカロニえんぴつの勢いが増している。

昨年はバンド初となる全国ワンマンツアーを成功させ、5枚目となるミニアルバム『season』はオリコンウィークリーアルバムチャートで初のトップ10入りとなる5位を記録。収録曲「青春と一瞬」はマクドナルドのCMソングとして音楽ファン以外の耳も楽しませた。

マカロニえんぴつの人気を支えているのは彼らのポップな楽曲によるところが大きいが、その裏に同世代のバンドにはなかなか見られない強烈なロック魂が込められていることに気づいているリスナーも多いだろう。そこで今回は、バンドのフロントマンであり、メインソングライターでもあるはっとりに話を聞き、マカロニえんぴつのロック的な側面を掘り下げてみた。4月1日には2ndアルバム『hope』のリリースも決まっている彼ら。このインタビューで語られている、ロックやロックバンドに対するはっとりの深い愛情は、この4人組に対する見方を大きく変えるはずだ。



―当サイトの企画で、2019年のベスト・アルバムとよく聴いた曲として、GRAPEVINE『ALL THE LIGHT』とC&K「嗚呼、麗しき人生」を挙げてましたね。

純粋にめちゃ聴いた作品ですね。「嗚呼、麗しき人生」はメロディがいいっていう点で選ばせていただいて、GRAPEVINEは僕の憧れのバンドで、去年初めて対バンをさせていただいたんです。キャリアはすごく長いですけど、最新作が常に一番カッコいいっていう。ロックバンドとして自分もこうなれたらいいなという気持ちで選びました。

―「嗚呼、麗しき人生」について、「こんな歌を自分もつくれたら」とコメントしていました。「こんな歌」というのは具体的にどういうものなんでしょう。

僕は押し付けがましい言い回しの歌があまり好きじゃないんですけど、なんとなくいい距離感でメッセージを汲み取れるようにする言葉選びってすごく難しいんですよ。そういう意味では、この曲はメッセージ性がはっきり見えるし、言葉選びも絶妙なんですよね。

―たしかに、この手のメッセージソングはちょっと間違えると押し付けがましくなっちゃいますよね。

そうそう。でも、これは自分から聴きにいきたくなる曲というか、特に悩んだり苦しんでいないときに聴いても心が浄化されます。あとは単純に歌がめちゃくちゃうまいですよね。そこも憧れます。

―アレンジもいいし。

そう、ストリングスの使い方にちょっと昭和歌謡っぽい懐かしさがあって。

―クレジットを見る限り、メンバーがアレンジしているみたいですよ。

あ、そうなんですね! どこまで書いてるんだろう。弦まで書いてるんだとしたらヤバいですね。

―いいメロディは常に探しているんですか。

そうですね。出会うとそればっか聴いちゃいます。でも、昨年のリリース物はそんなに詳しくなくて。

―特に今の曲ということを意識して聴いてるわけではないんですね。

全然ないですね。聴いたあとにいつの曲か調べると00年代初頭っていうことが多くて。90年代の終わりから00年代の頭らへんの音楽が好きです。



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