米政府がコロナ対策担当に副大統領を任命、サンダースは激しく非難

マートルビーチ(サウスカロライナ州)での選挙イベントでスピーチするバーニー・サンダース (Photo by Gerald Herbert/AP/Shutterstock)

米国コロナウイルス対策の責任者にペンス副大統領が任命された。そのことについて、バーニー・サンダースはトランプ米大統領を激しく非難。ニューヨークタイムズ紙は「他にすることがなかった」ために、副大統領がコロナ対策の責任者を任されたと報じた。

ドナルド・トランプ米大統領は2020年2月下旬、マイク・ペンス副大統領を政府によるコロナウイルス対策の責任者に任命した。インディアナ州知事時代にHIV感染流行の対策を誤った前科を持つペンスを指名したことに対し、直ちに懸念の声が上がっている。

トランプ大統領による2月26日のコロナウイルスに関する記者会見を受け、次期大統領選の民主党代表候補を目指すバーニー・サンダースは、これまでの大統領の対応を嘲笑った。さらに、ペンスを政府主導の感染対策のリーダーに指名したことを非難した。

サンダースは「トランプによるこれまでのコロナウイルス対策」について、以下のようにツイートしている。

「トランプは貧困層への冬の暖房費の補助を予算からカットした」

「HIVの感染流行対策を“運に任せた”過去を持つペンス副大統領が、今度はコロナウイルス対策の指揮を執る」

「トランプは製薬業界からロビイストへ転身したアレックス・エイザーに、全国民に行き渡る手頃なワクチンの提供を保証するとは言わせなかった」

最後にサンダースは「酷い」とツイートを締めくくった。

サンダースが「運任せ」と表現したのは、ペンスがインディアナ州知事時代の2015年に起きたHIV感染流行危機への対応を揶揄したものだ。米国家族計画連盟のクリニックを閉鎖し、注射針交換への補助金をカットしたことが、米国史上最悪のHIV感染拡大につながった。2015年の記者会見で、臨時の注射針交換プログラム法案に署名するかどうか尋ねられた当時のペンス知事は、「私は家に帰って祈ろうと思う」と答えた。

HIV危機への対応を誤った過去を持つペンスに対しトランプ大統領は、「(コロナウイルス対策の)適任者」で「ヘルスケアにとても精通している」と称賛し、さらに「マイクがインディアナ州知事だった時、素晴らしいヘルスケア・システムを確立した。他の多くの州がインディアナ州を手本にしたほどだった」と持ち上げた。

しかし大統領の称賛とは裏腹にニューヨークタイムズ紙は、ペンスがコロナウイルス対策を任されたのは副大統領として「他にすることがなかった」からだと報じた。

Translated by Smokva Tokyo

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