星野源やPerfumeのMVを手がけた映像作家、関和亮の2010年代「あまのじゃくな部分が僕らしさ」

関和亮が選ぶ、2010年代の代表作

星野源

星野さんとの最初の仕事は「SUN」でした。打ち合わせのときに「思ったように作ってみてください」と言われ、10個くらいアイデアを持っていったら喜んでくれて。その中で、星野さんの1日を追っていくストーリーに決まりました。いくつも部屋が出てくるけど、実は1つの空間を利用して繋がっているように見せています。「踊りを入れたい」と言ったのは星野さん。それならコレオグラフィが重要なので、一番仲の良いMIKIKOさんを提案したら喜んでいただいて。「恋ダンス」を作ったときには、まさか全国を席巻するような現象になるとは想像もしていませんでした。現在、2億回も再生されているんですよね。どんだけ見てくれているんだ?っていう(笑)。「Family Song」の頃から吉田ユニさんもアートディレクターとして加わってくれて、星野さんと僕と3人でよく打ち合わせをしました。「アイデア」については、ダンサーの振り付けを三浦大知くんに頼んだり、途中でモノトーンになったりするのは星野さんのアイデアでした。かなり難産でしたが、その分いいものになりましたね。ファンの間で深読みされていたのも面白かったです。










サカナクション 「アルクアラウンド」

ちょうど2010年代が始まった年に作った作品。これがきっかけで、音楽業界だけではなく広告業界や一般の人たちが僕のことを知ってくださったので、2010年代の代表作を選ぶとなったらやはり外せないですね。テクノロジーが発展していく中、逆手にとってアナログな手法を取り入れようというアンチテーゼはもちろんありました。そろそろグラフィックやCGを見飽きてた頃だったので、そこに一石を投じてやろうと。「変なビデオ作っちゃったな」と編集室で思った記憶がありますね(笑)。もちろん手応えも感じましたが、まさかこんなにウケるとは思っていなかったです。




Perfume 「TOKYO GIRL」

僕にとってのターニングポイントは間違いなくPerfumeと出会ったこと。彼女たちに関われたことが自分の進む道を大きく変えていってくれたところもあるので、全ての作品と言いたいところですが、2010年代で1本選ぶとしたら「TOKYO GIRL」。「アルクアラウンド」とは反対に、CGをふんだんに使って作りました。ただ東京の街を歩いてもらってもつまらないし、彼女たちをちょっと神的な存在にしたくてオールCGで塔を作り、その頂上までエレベーターで登って踊るというストーリーです。「だったら衣装はエレベーターガールかな!」みたいな軽い気持ちで作ったところもあるけど(笑)、アートワークも含めて一つの完成形だと思いますね。



RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE