現在進行中の新型コロナウイルスによる健康上の懸念により、IT業界や映画音楽業界の主要企業が参加を取りやめる中、米オースティン市の代表が現地時間6日に記者会見を開き、サウス・バイ・サウスウェスト・フェスティバル(SXSW)の中止を発表した。
世界数十万人の参加者が見込まれていただけに、SXSWの中止はフェスティバル業界やライブミュージック業界にとって、中国で発生した新型コロナウイルスが世界中に拡散して以来最大の大打撃だ。金曜日、オースティン市のスティーヴ・アドラー市長は災害緊急事態を宣言。事実上、今年のフェスティバルは中止となると、報道陣に語った。
「サウス・バイ・サウスウェストが中止になることは誠に遺憾です」とアドラー市長。「さまざまな意味で、このイベントは街のアイデンティティと結びついた、非常に重要な存在です。ですが私としても、サウス・バイ・サウスウェストの次回開催に期待したいと思います」
SWSXもTwitterで声明を発表した。「3月恒例イベントの34年間の歴史の中で、不開催となるのはこれが初めてです……スタッフ、参加者、そしてオースティン市民の皆様の安全を守るために、我々も自分たちにできることに努めてまいります」
先週までは、主にヨーロッパおよびアジアのライブミュージック業界がウイルスのあおりを受けていたが、アメリカ国内での感染者と死者が増加したため、アメリカの音楽業界にも不安が広がった。マイアミのウルトラ・ミュージックフェスティバルも6日午前、地元当局からの延期要請を受けて無期限の開催見送りを発表した。
・SXSW 2000の公式声明(公式Twitterより)
オースティン市は、3月に予定されていたSXSWおよびSXSW EDUの開催を中止いたしました。SXSWも市の指示を真摯に受け止めてまいります。
皆様にこのようなご報告をお伝えするのは、なんとも胸が痛みます。ショウ・マスト・ゴー・オンが我々の信条であり、3月恒例イベントの34年間の歴史の中で不開催となるのはこれが初めてです。我々は現在、この前代未聞の状況の影響の対応にあたっています。最近では水曜日、オースティン市公共衛生局から「SXSWやその他イベントを中止しても、コミュニティの安全が確保されると言う証拠はない」との発表がありました。ですが状況は急速に変化しており、我々としてはオースティン市の判断を尊重し、遵守してゆく所存です。SXSWのスタッフ、参加者、そしてオースティン市民の皆様の安全を守るために、我々も自分たちにできることに努めてまいります」
2020年3月7日 6:59AM