カウンセラー視点で見たエンタメ業界の働き方

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2019年9月に書籍『なぜアーティストは壊れやすいのか?』を出版した、音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦。同書では、自身でもアーティスト活動・マネージメント経験のある手島が、ミュージシャンたちのエピソードをもとに、カウンセリングやメンタルヘルスの基本を語り、アーティストや周りのスタッフが活動しやすい環境を作るためのヒントを記している。そんな手島が、日本に限らず世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」をスタート。第14回は音楽をテーマにエンタメ業界の働き方を、産業カウンセラーの視点から考察する。

コールドプレイのクリス・マーティンは、ロビー団体「UKミュージック」の音楽業界で働く自営業者に対する育児休暇の待遇などの改善をイギリス政府にはたらきかける運動を支持しています。彼は現行の法律がコールドプレイのチームに及ぼしている影響について、「自営業者の両親のための育児休暇制度や手当の支給制度は整備されておらず、フリーランスで働く同僚やクルーたちは苦しい思いをしています。自営業の母親や父親たちが好きな時に育児休暇を取得できるよう、法律を変えたいと思っています」と発言しています。このように、音楽業界でも労働環境や制度を見直す動きが始まっています。COVID-19の感染拡大によって、音楽業界に限らず多くのフリーランスの方々が苦しんでいる昨今ではなおさら、日本でもこうした動きが広がっていくことを期待します。

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