Charと立川直樹が語る、あの「自由な時代」

左から、Char、立川直樹(Photo by Keisuke Nagoshi)



“ロック、もしくは音楽が持っているのは、規制とかっていうものを超越したチカラだと思うんだよね”(Char)


Photo by Keisuke Nagoshi

立川 : そういう店はなくなっちゃったし、渋谷も変わったよね。今回この店(セルリアンタワー東急ホテルのシガー&ロックバー「R261」)を僕がプロデュースのお手伝いすることになったのもさ、やっぱり今みたいな時代でも、この街でもっと自由に遊んで欲しいという気持ちがあって。僕らくらいの歳の人間がこういうのを次の世代に伝えておかないと、その面白さをわかる人がいなくなっちゃう。多少文句言う人はいっぱいいるけど、やっぱりやる方が楽しいよ。

Char : 今の日本はいろいろセンシティブになっているところはあるけど、まあでもいつの世の中もそうでさ。だからそこにロックンロールの存在意義があると思って。別に何でも反発するつもりはないんだけど、ロック、もしくは音楽が持っているのは、そういう規制とかっていうものを超越したチカラだと思うんだよね。

立川 : うん。感じられることだよね。

Char : 何がすごいかって、日本人に限らず地球にいる人間が、音で何かを共感できるんだよ。英語で何言ってるのか分かんないのに、この曲は寂しいとか楽しいとか感じて、時には踊りたくもなれる。それって本来我々が持っているナチュラルな才能だと思うから、オレもそれを音楽を通してやりたいと思っているし。

立川 : 僕がCharをリスペクトしているのは、こういう時代の中で今もそれをやっている人だから。そういう人がやっぱり好きなんだよな。

Char : 日本の場合は他のアジア諸国と違って、早いうちからオンタイムで外の文化を取り入れて来たじゃん。でもいざ「オリジナリティ」っていうと、やれ歌舞伎だ何だっていつも伝統芸能ばかり出てくる。でもさ、そろそろ自分たちのオリジナリティをドーン!って出すタイミングかなって。俺はもうこの歳にはなってしまったけれど、そこの感性というかアンテナは常に立ててるし、「こんくらいでいいんじゃないの」っていう風にはなりたくないよね。やっぱどこか尖っていたいんだよ。


Photo by Keisuke Nagoshi

Char
1955 年東京生まれ。本名・竹中尚人(たけなか ひさと)。ZICCA REDORDS 主宰。8 歳でギターをはじめ、10 代からバックギタリストのキャリアを重ねる。1976 年『Navy Blue』でデビュー以降、『Smoky』『気絶するほど悩ましい』『闘牛士』等を発表。2009 年にはWEB を主体としたインディペンデントレーベル「ZICCA RECORDS」を設立し、自身が影響を受けたギタリストのカバー、TRADROCK シリーズ(DVD/CD) 全7タイトルを発表。『ギターマガジン』誌による、プロギタリストを中心とした音楽関係者へのアンケート投票「ニッポンの偉大なギタリスト100」にて、1 位に選ばれる。2018 年、Fender Custom Shop にて日本人初のプロファイルドモデルを発表。オリジナル楽器ラインZICCA AX も展開中。

立川直樹
1949年東京都生まれ。20代前半からロックコンサートのプロデュースやロックバー経営、舞台美術制作などを行う。音楽、映画、美術、舞台などプロデューサー / ディレクターとして活躍。そのフィールドは、ロック、ジャズ、クラシック、映画音楽、アート、舞台美術など多岐にわたり、音楽評論家・エッセイストとしても活動。著書に『シャングリラの予言』(正・続、森永博志氏との共著)、『セルジュ・ゲンズブールとの一週間』、『父から子へ伝える名ロック100』、『TOKYO1969』、『ライナーノーツ』など。

撮影協力 : シガーバー 「R261 CIGAR & ROCK」(セルリアンタワー東急ホテル)
渋谷・セルリアンタワー東急ホテル2Fに2019年11月にオープンしたシガーバー。レコードによるロックミュージックと、極上の酒、シガーが楽しめる渋谷のニュースポット。

撮影 : 名越啓介
PHOTOGRAPHY _ Keisuke Nagoshi
編集・文 : 武井幸久
EDIT & TEXT_ Yukihisa Takei(HIGHVISION)

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