教育現場で求められるメンタルヘルス スクールカウンセラーの必要性

このように、文科省も「学校に行くことがすべてではない」という姿勢を打ち出しています。学校が、誰かにとって安心安全な場所ではなかったり、あまりにも自分らしくない振る舞いをしなければならない環境であったりするならば、無理して行く必要はないのです。また、親等に迷惑をかけないようにと、ひとりで抱え込まず、この文章の後に記載したようなところに相談してみるのも方法のひとつです。

一方で不登校には、学習機会の確保や友達と遊ぶことが難しくなるということ、そうした問題を支援できる選択肢がまだまだ多くないこと、そしてそれを経済的・環境的理由から選択できない家庭も多いこと、などまだまだ問題は多々あります。「学校に行かなくても良いんだよ」「逃げて良いんだよ」と言えるようになったこと、そのように考えられるようになったことはとても大きな一歩ですが、それによって、本来なら得られたはずの何かが失われないようにしなければなりませんし、「逃げろ」という場合には、逃げ方を伝え、逃げ場所を用意しなければなりません。国や社会が、より一層関心を高めて支援していくようになって欲しいと思います。

学校という世界を少しずつでも良くしていこうという試みはいろいろと行なわれていて、そのうちのひとつが1995年から公立校に導入された「スクールカウンセラー」です。スクールカウンセラーは、①臨床心理士 ②精神科医 ③児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第1条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師、または助教の職にある者、またはあった者、のいずれかが資格要件となっています。学校内で教員と異なる立場、そして臨床心理の専門家としての立場から、児童生徒や保護者と関わることで、様々な問題のケアにあたります。

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