米大御所キャスターが語る、トランプ大統領のコロナ対策「大統領として恥ずかしい」

ーあなたはホワイトハウス担当のチーフ記者を12年に渡って務め、記者会見も経験しています。トランプ大統領のアレキサンダー記者に対する態度はどう感じましたか?

私ほど大統領職をリスペクトしている人間は他にいないだろう。しかしトランプ大統領の態度は許しがたく、受け入れられない。例外なく批判されるべきだ。控えめに言っても米国の大統領に相応しくない。彼はマスコミに対して強い大統領だと見られたいのだろうし、それが自分の強みだと自負してきた。さらに彼はその態度を続けている。皮肉なことにピーター・アレキサンダーは、全てのテレビ局の中で最もきちんとして礼儀正しく、敬意をもった記者のひとりだ。

アレキサンダーに対する言われなき恫喝には、もっと深い意味があると思う。ひとつは大統領自身が今の状況にどれほどやきもきしているかの現れであり、さらに、国の非常事態における大統領としての最低限の対応すらできないと自分でわかっている証拠だろう。

ートランプ大統領に質問できるとしたら、何を聞いてみたいですか?

(しばらく沈黙)「大統領、何を恐れているのですか? 発表される声明からはいつも、本心は怖くて仕方がないことが読み取れます。何が怖いのですか?」と聞いてみたい。良い質問だと思う。素晴らしい答えが返ってくるとは期待できないがね。「あなたが時々見せる突飛もない行動は、何かを恐れているからでしょうか」とも言える。彼の行動は時にものすごく奇妙だ。彼が何を恐れているのか私も知りたいし、彼が何かを答えようとする姿も見てみたい。

ー今回のパンデミックはトランプ大統領にとってのハリケーン・カトリーナになり得るでしょうか?

我々にはわからない。今は状況の行方を注視すべきだ。現時点ではカトリーナよりも悪い状況だ。しかしまだ時間はある。まだ終わりではない。

ーそうこうしている内に、トランプは「戦時の大統領」としての地位を確立しようとしています。

それは想定内だ。ジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した時、ディック・チェイニーか取り巻きの誰かが、もしも偉大な大統領になりたければ戦時の大統領になるべきだ、とアドバイスした。

しかし、冷静になってよく分析してみよう。トランプは戦時の大統領になりたいが、指揮官にはなりたくない。戦時の大統領というのは、国全体を統率したいと考える。しかしトランプは、今は戦闘状態にあると言いながら、各州には自己責任でそれぞれの戦いを強いている。パールハーバーを攻撃された後にフランクリン・ルーズベルトが、「カリフォルニア州は自力で対処してくれ」とか「ワシントン州は単独でどうにかして欲しい」などと発言するようなものだ。例えが適切でなかったら許して欲しいが、滑稽でしかない。そして何より危険だ。

Translated by Smokva Tokyo

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