UK音楽シーンにおける、2020年の新たな地殻変動を読み解く

UK最注目バンドの一つ、ソーリー(Photo by Sam Hiscox)


フジロック出演のUKアクトにも注目

さらに今日のイギリスでは、シャバカ・ハッチングスを軸としたジャズシーンも盛り上がりを見せているわけだが、すでに相当な字数となっているため、そちらの詳細は他の記事に譲ろう。


シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズの最新作『We Are Sent Here By History』収録曲「Go My Heart, Go To Heaven」

ということで、おおまかにロック、エレクトロニック、ラップと分けながら、2020年における英国とアイルランドの音楽シーンの盛り上がりぶりとその概況を描いてみた。ただ、「ポストジャンル」を強調することと、こういった区分けは、明らかに矛盾している。

様々な音楽ジャンルやスタイルが同時進行的に盛り上がり、見慣れぬ新顔がどんどん出てきている現在。あらゆる潮流は相互に絡まり合って、複雑にネットワーク化している。ロンドンを中心とする英国の音楽シーンは混沌としていると言ってもいい。しかし、時代や地域の混沌こそがおもしろいし、聞き手としてはその猥雑さに興奮を覚えてやまない。そんな状況下でこそ、新たな可能性を持った音楽が生まれるのではないか、と感じるのだ。


ソーリー(Photo by Sam Hiscox)

そんな混沌をするりとくぐり抜け、明快なポップさと不敵な歌でもって一太刀を浴びせるようなソーリーは、やはり注目に値する存在だと思う。荒々しい野心と、確かなアイコン性を携えたアーシャとルイス。彼女たちの1stアルバム『925』(「925」とはアクセサリーなどに使われる用語で、純度が高い本物の銀の含有率を表す)は、2020年の英国シーンにおける最重要作である、と言い切ってしまおう。

最後に、第1弾ラインナップが先日発表されたFUJI ROCK FESTIVAL ’20では、本稿で紹介したトム・ミッシュ、ジョージア、フォンテインズ・D.C. 、ムラ・マサ(クレイロも!)に加えて、最新作『MAGDALENE』が絶賛を受けたFKAツイッグスディスクロージャーフローティング・ポインツといったエレクトロニック系アクト、数々の賞に輝いた新進気鋭のソウルシンガーであるセレステ、さらに彼らの先輩格となるThe xxのロミーやメトロノミーの出演が決定済み。UK〜アイルランドの今を知るうえでも見逃せない顔ぶれが揃っている。




ソーリー
『925』
発売中
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10790


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FUJI ROCK FESTIVAL ’20
日程:2020年8月21日(金)~8月23日(日)
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間:9:00 開場/11:00 開演/23:00 終演予定
https://www.fujirockfestival.com

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