URC50周年ベスト「愛と平和の歌」、世の中と身の周りをテーマにする歌たち



ヤジを飛ばしてるのは岡林(信康)さんでしょうね、ライブバージョンが入っております。これは高田渡さんが、パロディソングのつもりで書いたんです。茶化しているわけです。でも、世の中というか自衛隊の方はそうは受け取らなくて、自衛隊から感謝状が届いたというエピソードがありますね。実際に、この曲を聴いて自衛隊に入ろうと志願した若者もいたそうです。原曲はピート・シーガー、反戦歌をたくさん書いたアメリカのフォークシンガーのLEGENDです。これが今はどんな風に聴こえるんでしょうね。パロディとして聴こえるんでしょうか? それとも本当に自衛隊のPRソングになるんでしょうか? 微妙な曲となっております。DISC3の8曲目、高田渡で「自衛隊に入ろう」でした。



甚だ簡単ではありますがお許しくださいと締めくくる。正直な歌だなあと思いますね。さっきの「自衛隊に入ろう」からの流れが、どういう風に聴かれるかなあと思いながら選んでおりました。URCのアーティストって団塊世代の人が多いので、両親は軍歌を歌っていた年代なんですね。戦争に行かれた方もたくさんおりました。まだ戦争の記憶が生々しい時ですよ、日の丸は軍国主義の象徴だと思われていた時代だった。でもそんな簡単に片付けることもできない。そんな風に結論づけていいのかなって思う世代もいたわけですね。我が祖父祖母は感激の涙に暮れ、その子供の我はなんの感慨も湧かずという世代のギャップを率直に淡々と歌ってます。スローガンでもプロパガンダでもない。“反”か“愛”かと単純に二分化できないテーマをこんな風に歌うというのも当時の若者の一つの姿勢だった。RADWIMPSの野田洋次郎さんが日の丸を歌ったときに賛否両論、各方面から叩かれたことがありましたけど、彼はこの曲を聴いたのかな、この歌をどんな風に聴くのだろうと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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