コロナ危機、最悪の事態を免れたシアトルの街角と医療の現場から(写真ギャラリー)

パイクプレイス・マーケット(Photo by Grant Hindsley for Rolling Stone)

2月29日に米国内初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者が確認され、ワシントン州はアメリカ初のコロナウイルス感染地帯となった。

シアトルはどこよりも先駆けてソーシャル・ディスタンシングを実施し、感染拡大のスピードを遅らせるために主要都市としては初めて、学校と企業を閉鎖した。写真家のグラント・ハインズリー氏は3月28日の週末、ローリングストーン誌のためにシアトルの街へ繰り出し、街の風景や最前線で働く医療従事者の生活をカメラに収めてくれた。

・パイクプレイス・マーケット


Photo by Grant Hindsley for Rolling Stone

パイクプレイス・マーケットはシアトルを代表するフィッシュ&ファーマーズマーケット。観光客はもちろん、地元市民も足しげく通う。ハインズリー氏いわく、人手が途絶えるのに数週間かかったそうだが、3月末には街のシンボルはもぬけの空になった。「ここはシアトルでも唯一、ニューヨークシティを思わせる場所。人混みにもまれて身動きするのもままならないほどです」と彼は言う。「シアトルに来たばかりの人は、マーケットの前を車で通り過ぎるというミスを犯しがちです。今は通りたい放題ですけどね」


・ワシントン大学の桜


Photo by Grant Hindsley for Rolling Stone

ワシントン大学構内の中庭にある桜は、春になると大勢の見物客が詰めかける。「そりゃあもう大変な騒ぎですよ、とにかく人だかりで」とハインズリー氏。「日刊紙に勤めていた時は、毎年ここで桜の花や観光客を撮影するのが習わしでした」。ウイルスが広まってからは桜の前にはロープが張られ、春の恒例行事も禁止された。


・キャピトル・ヒルのストリートアート


Photo by Grant Hindsley for Rolling Stone

シアトル屈指のおしゃれ地区、キャピトル・ヒル界隈のダウンタウン付近。店頭はどこもパンデミック中に略奪に遭わないよう、板が打ち付けてある。「ストリートアーティストや壁画作家にとっては絶好のチャンスですね」とハインズリー氏。「どの場所も自由に描きたい放題ですから。景観を損なうというより、街に明るさをもたらしてくれますね」


・必要不可欠な労働者


Photo by Grant Hindsley for Rolling Stone

ストリートアーティストのサンディが、板張りされたCapitol Coffee Worksに壁画を描いている。ソーシャル・ディスタンシングによって、シアトルでもっとも苛酷な経済格差が浮き彫りになった。この写真では見切れているが、歩道では1人のホームレスが野宿していた。「本当にひどいもんです」とハインズリー氏も言う。「自宅待機できる恵まれた人は街から姿を消しましたが、シアトルのホームレス問題の深刻さをいたるところに見て取れます」

Translated by Akiko Kato

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