ザ・ストロークスが「ロックの救世主」と謳われた、2003年の1万字秘蔵インタビュー

ジュリアン・カサブランカスのアルコール依存

翌日の夜、筆者はGramercy Dinerで再びカサブランカスに会った。昨日のような失態は繰り返さないと話す彼の目は、明らかに睡眠不足で充血している。「俺は夜驚症気味なんだ」カサブランカスはそう話す。「何でもいいからゾッとするような状況を想像してみてくれ。俺はそれを日常的に経験してるんだ。夢の中で23通りの方法で死んだこともある」

彼は改めて昨夜の失態について詫びた。酔っていたのだという。

筆者:周囲の人はあなたの酒癖の悪さについて心配したり、酒をやめさせようとしないのですか?

カサブランカス:いいや。度を過ぎると俺が自発的にやめるってことを、周りの奴らはみんな知ってるんだろうな。

筆者:度が過ぎているかどうか、どう判断しているのですか?

カサブランカス:アルバムを作ってた時は、5カ月くらい禁酒してたよ。

筆者:どういった方法で?

カサブランカス:酒が自分のパフォーマンスに深刻な影響を及ぼし始めてるって気付いたんだよ。このままじゃ二日酔いでまともに歌えなくなるだろうと思った。酒を控えようとすると精神面がやられちまうから、結局また飲んじまう。二日酔いの時って、ネガティブ思考が止まらなくなるんだよ。で結局、「飲まずにやってられっか」ってなっちまうんだ。飲んでる間だけは気分が良くなるからね。

筆者:周囲の人々の反応はどうでしたか?

カサブランカス:ガールフレンドは去り、母親に怒鳴られた。でもそれが音楽に悪影響を及ぼしてるって自覚した時に、これはダメだって思ったんだ。

筆者:初めてやらかしたのはいつ?

カサブランカス:多分10歳の時のディナーパーティーだな。テーブルの上にいろんな酒があって、俺はそれを片っ端から飲んでった。「何これ? すごい気に入った」とか言いながらね。体がそれを求めるのがわかったんだ。人生ってバラ色だなって思ったよ。

Translated by Masaaki Yoshida

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