砂漠の奇祭「バーニングマン」中止発表、オンライン上にバーチャルイベント会場準備

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2020年8月30日から9月7日まで開催される予定だったアートイベント「バーニングマン」が、コロナウイルスの影響により今年の開催の中止を発表した。

同イベント主催者は「たくさんの傾聴と討論、慎重な検討の結果、今年はブラック・ロック・シティ(バーニングマンの開催期間に会場として建設される地域)を建設しないという時報に難しい決断をいたしました。コロナウイルス被害の痛ましい現実という我々の時代での世界的に最も大きな試練の中、これが正しい行動であると信じております。我々もとても心が痛みますし、皆さんも同じく心を痛めていらっしゃることと存じます。2020年、我々は人々のつながりとこれまで以上の即時性が必要となっています。ですが、公衆衛生と参加者、スタッフ、ネバダ州の人々の健康が最も優先すべきことであります」とアナウンスした。

本イベントが中止となり、これまでの「the Multiverse(多元宇宙)」のテーマに沿って、主催者はバーチャル・ブラック・ロック・シティ2020を代わりに設営することを発表。「どのように公開するかはまだ定かではありません、なんらかのミスによってひどいものになるかもしれないし、魅力的で楽しいものになるかもしれない」と主催者は語る。

米国でのコロナウイルスの発生により、3月に行われる同イベントのチケット一般発売は延期されていた。しかし、フェスのファンの中には既に先行早割チケットを購入していた人々もおり、彼らへの払い戻しも行う予定ではあるものの、来年の開催に向けてバーニングマン・プロジェクトを継続していくために寄付も募りたいと語っている。

さらに主催者は「ベイカー・ビーチでバーニングマンを始めた当時から、我々は常に一番で屈指の、サバイバル状態に精通したコミュニティでした。ブラック・ロック・シティがほとんど開催できないような年もたくさんありましたが、私たちは不確実性との向き合い方、変化し続ける世界にどのように適応していくべきかを知っております。地球上の皆さんが行なっているように、互いに強さとインスピレーションを引き出すことで、この課題に取り組んでいきたいと思います。我々は全てがバーニングマンなのです。」と付け加えた。

バーニングマン・プロジェクトのCEOのマリアン・グッデルはYouTube上でも、今回のキャンセルについての声明動画を公開している。



バーニングマンは、今年の開催のキャンセルを発表したグラストンベリー・フェスティバル、SXSW、ウルトラ・ミュージック・フェスティバルとも提携する、明確な姿勢を持つフェス。他にも、コーチェラ・フェスティバルやボナルー・フェスティバル、ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルが、コロナウイルスの拡大が収束することを期待しながら秋まで開催を延期している。

・夢か空想か、「バーニングマン」の写真を一挙紹介(写真22点)


Ebina Kohei

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