韓国生まれ、東京育ち、ルーツは嵐 kim taehoonとは何者か?

─海外に行こうと思った理由、きっかけみたいなものは何だったんですか?

子どもの時、お年玉を親に全部没収されていて。あのお金はどこへ行ったんだって尋ねたら、ここに貯まっているよって見せてくれて。ぼくは国際連合/国際連盟のファンだったので、そのお金を使って旧本部のあるスイスを起点にフランス、イタリアと渡り歩いたんです。それがきっかけで、海外に行くことになって、あ、いいじゃんっていうふうに思ったんですね。あと、大学1年生の頃友達がいなくて、とりあえず勉強しかすることがなかったんです。凄まじく成績は良かったんですが、2年生に上がるとともに途端に勉強へのモチベーションが下がってしまって。そんなときにいろいろ調べていたら、海外留学に行ったら1年間で105万円もらえることがわかったので、これは行くしかない! と思って(笑)。返さなくてもいい奨学金だったので、日本にいるよりお金をもらって海外で遊んでいた方が自分のためになると思って英語圏に行ったんです。

─きっかけはなんであれ、海外に行ったことによって、物事を多角的に見るところに結びついたのはいいことですね。

たしかに海外に行ったことによって自分も変わったと思うんですけど、海外に行って“世界が180度変わったわー”って人がすごく嫌いなんですよ(笑)。日本で20年間生活していた人が、1年間アメリカに行って世界が180度変わったとして、あなたが生きてきた20年間はその1年間に負けるものだったんだ? ってぼくは思っちゃう。もうちょっと自分の生きてきたバックグラウンドに自信を持ってほしいって思うんですよ。20年もいたらその生活には飽きるし、目新しいものを1年間目にしたら新鮮に感じる気持ちは分かるんですけど、結局あなたを構成しているものって日本での20年間だからって。だから自分にとって、イギリスに行って何も変わらなかったというのはいいことだったと思っています。環境が変わったとき、軸がどう残るのかという考え方をしないと、自分という軸がぐにゃんぐにゃんになっちゃう。あくびされがちな話なんですけどね、友だちに話すと(笑)。

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