cero・髙城晶平×Suchmos・YONCE、2010年代を切り拓いた両雄の視点

バンドに訪れた、いい波
それぞれの波の乗りこなし方

ーSuchmosは『THE KIDS』まで一気に駆け上がった分、その後の苦悩や葛藤も3rdアルバム『THE ANYMAL』(2019年3月発売)には刻まれていましたよね。

YONCE:2015年以降のことって、正直自分たちでも振り返れないくらい、すげえ彼方の出来事に感じるんですけど……食い方にもいろいろあるってことを学びました。そこまでがガムシャラすぎて、「かっけえ車に乗りたい」とか、そういうわんぱくな野望しかなくて。でもいざそういうものを通り過ぎてみると、別になんっちゃないというか、「なんでこんな躍起になってたのかな?」という気もして。


YONCE(Photo by Masato Moriyama)

ー『Obscure Ride』と『THE ANYMAL』はどちらも3rdですけど、ともにバンドのあり方を見つめ直すタイミングのアルバムだったと言えるのかもしれないですね。

髙城:俺は波に乗るとすぐ降りたくなるというか。DJをしてても、上がる曲をかけて、フロアがワッとなったら、すぐに嫌になって、もうちょっと下の段階で落ち着かせたくなっちゃうんですよね(笑)。自分でかけたくせに、盛り上がると怖くなっちゃって、「やっぱり落とそう」って……個人的な性格ですけど。

ーceroの歩みと通じるところもあるのかもしれないですね。

髙城:それこそ「SMAP×SMAP」に出たとき(2016年3月)も、怖くなっちゃって。「ヤバイ、波に乗っちゃってる!」って(笑)。

YONCE:「波に最後まで乗るのか?」っていう話で言うと、俺らにも心理的な変化があって。「これはいろいろすり減らすことが多いぞ。最後まで乗るのはちょっと危ねえな」ってことで、「一回、さ」ってなったんですよね。それが上手く着地できたかはさておき、そういう意味で、『THE ANYMAL』を出せたのはよかったなと思っていて。

髙城:めっちゃいいアルバムだよね。「BOUND」とか超いい。

Edited by Yukako Yajima

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