cero・髙城晶平×Suchmos・YONCE、2010年代を切り拓いた両雄の視点

ハマスタに立ったYONCEが言う
「じゃあ、次は何やんの?」を考えたい

ー最後に、2020年以降の展望も話せればと思います。少しずつ、日本の音楽が海外でも聴かれるようになってきた中で、今後の日本の音楽がどうなっていくのか、あるいは、どうなっていってほしいか、それぞれの考えをお伺いしたいです。

髙城:僕が思うのは、やっぱりアジア圏全体の文化的な結託が面白いものを生むだろうということですね。今すでに交流が盛んになってるけど、世の中の動きともいい形で連動していったらなって。日本の移民政策とか態度と、音楽や文化の盛り上がりとの間に繋がりが感じられないのが実情だから。

YONCE:音楽がシェイクハンドするきっかけになるのは間違いないですよね。それは過去の事例としてもあるし、先達が証明してくれてるから、俺たちもそういうことは考えながらやっていきたいです。

髙城:それに、例えば今のK-POPとJ-POPは別のベクトルにあるけど、将来的に聴いたことのない音楽が生まれるとしたら、そこがもっと混ざり合うしかないと思うんですよね。今年VIDEOTAPEMUSICくんがいろんな国のアーティストを集めてアルバムを作っていて、ああいうのはすごくいいと思う。グローバルと言っても、イッツ・ア・スモールワールドみたいにいろんな国旗がはためいてお花畑みたいなもんじゃなく、単純にエキサイティングなものを作るために結託してるってのが重要ですね。これからそういう感覚は「持ってなきゃマズイ」くらいのものだと思います。

YONCE:ただ、デカいところでやりゃあいいわけでもないっていうか……ハマスタ(横浜スタジアム)でやっといて言うのもおかしいですけど(笑)。そこまでの過程に、自分たちのことを好いて、音楽を嗜んでくれる人がいるという事実が本当に特別なことだと思うんですよね。

髙城:最高にいい! やった人間がそれを言うのは本当にかっこいいよ!

YONCE:ハマスタにそういう3万人の集まりを作れたのなら、「じゃあ、次は何やんの?」っていうところを考えたいです。まだ何の見通しもない話ですけどね。まあ、結局自分の一番身近な部分からやらないと意味がないとは思います。頭でっかちに、「目的のために」ってなっちゃうのはよくないので、自分の半径数メートルの調子よさから考えて、全員がそれを追求できるようになればいい。まずはそこからかなと思っていますね。


Suchmosは横浜スタジアムでのライブを収めた映像作品『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM 2019.09.08』を6月10日にリリース予定


高城は自身のソロプロジェクト「Shohei Takagi Parallela Botanic」名義で、2020年4月に1stソロアルバム『Triptych』を発表した。

Edited by Yukako Yajima

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