cero・髙城晶平×Suchmos・YONCE、2010年代を切り拓いた両雄の視点

高城晶平が選ぶ、2010年代のベストヴォーカリスト

アーチー・イヴァン・マーシャル(King Krule)
折坂悠太

キング・クルール以降、彼みたいな音楽ってめっちゃ増えたけど、誰もキング・クルールに届いてないのはあの人の声じゃないからで。あの声が鳴った瞬間に完全なるオリジナルになっちゃうのはすごいし、クラシックだし、大好き。ロンドンの天気みたいな声というか、晴れではまったくないけど、それもいい。アルバムで言うと『The OOZ』が大好きです。やってることはロックに立脚してるんだけど、アルバムの作りはミックステープっぽい、現代的な作り方で、そういう部分も憧れます。日本だと折坂悠太くん。彼も同じようにクラシックというか、日本っていう土地の磁場にちゃんと立脚してる。そういう人は稀ですよね。




YONCEが選ぶ、2010年代のベストヴォーカリスト

ジェフ・トゥイーディー(Wilco)
下津光史(踊ってばかりの国)

海外だとジェフ・トゥイーディーのソロアルバム(『WARM』)がすごく好きで。親切な人の家に招かれたかのような感じがするんですよね。大事なシチュエーションで出会うことができて、安心させてくれたっていうのも大きいです。日本だと、踊ってばかりの国の下津光史くんですね。彼の歌と言葉、メロディとの密着度というか、スラスラ出てくる感じが素晴らしいなって。「ストレートって、いいよな」って単純に思わされるし、「ストレートに聴かせてることのすごさ」も思い知らされます。




高城晶平が選ぶ、2019年のベストアルバム

『The Age of Immunology』
Vanishing Twin

Vanishiing Twinは超ビターなステレオラブみたいな感じで、俺の超ドンピシャな音楽で大好きです。モノトーンかつサイケな音楽性に、ダダイズムっぽいジャケを採用してるところもジャスト。2019年的かって言われるとそうじゃないかもしれないけど、個人的には2019年に結構聴きました。



高城晶平が選ぶ、2019年のベストライブ

ウルフルズ(7月7日、「ONE PARK FESTIVAL 2019」にて)

福井県で開催された「ONE PARK FESTIVAL 2019」にceroも出させてもらったときに観た、ウルフルズのライブ。今3ピースだからトータス松本さんがギターを弾きながら歌ってるんですけど、それがむっちゃかっこよくて、泣いてしまいました。ギターソロで音量上げたりもせず小っちゃいまんまやっていて、そのウェルメイドなものにしてない感じもめっちゃよかった。今が一番旬なんじゃないかって思うくらい、いいライブでした。

YONCEが選ぶ、2019年のベストアルバム

『Orange Time』
Rona Kenan

イスラエルのシンガーソングライターで、きっといろんなことに巻き込まれた中で創作活動をしてるんだろうし、しんみりさせられてしまったという意味で結構喰らった作品です。雰囲気はシャルロット・ゲンズブールみたいな感じ。ジャケットも素敵だなって思います。今年は物思いにふける時間が長かったのもあって、そういうときに寄り添ってくれる音楽を求めていたんですよね。




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1st Album『Triptych』
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Edited by Yukako Yajima

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