日本でも話題になりつつあるNetflix『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』。このドキュメンタリーにはまだ続きがある。私設動物園の元園長、ジョー・エキゾチックことジョゼフ・マルドナド=パッセージ被告は、米政府と元ビジネスパートナーのジェフリー・ロー氏を相手に9400万ドルの訴訟を起こした。マルドナド=パッセージ被告は野生生物保護法違反と、動物愛護運動家のキャロル・バスキン氏の暗殺を依頼した罪で、現在懲役22年の刑に処されている。
ローリングストーン誌が入手した情報によると、訴状は3月17日にオクラホマ州のグレイディ群刑務所で提出され、合衆国魚類野生生物局が動物を守るためではなく、マルドナド=パッセージ被告をはじめとする、動物を繁殖させて生計を立てている人たちを陥れるためにトラを絶滅危惧種に指定した、と主張している。これにより「私を起訴し、刑務所に入れ廃業させる」ことが可能になり、「つまり私の財産を奪い、動物の権利を推進している」と訴状で述べている。
これを理由に合衆国魚類野生生物局と内務省に「18年分の研究と200匹のトラや交配種の毎日の世話にかかった金額」として、7884万ドルの賠償を求めている。
被告は「不法逮捕、不法監禁、差別、悪意訴追、執行裁量、誤った法解釈、そしてシャーリー・シュライヴォーゲル(彼の母)の死に加担した」として、さらに1500万ドルの賠償金も請求している。
現在マルドナド=パッセージ被告のグレーター・ワインウッド・エキゾチック・アニマル・パークを所有しているラスベガスのビジネスマン、ロー氏について被告は、連邦捜査官に「嘘の供述をした」と主張。「私の動物園をタダで自分のものにしようとしている」と述べた。「薬を違法薬物にすり替え、不当な理由で私の動物たちを盗んだ。私物や動産が全てある家を破壊した。政府の証人に法廷で嘘をつくようそそのかした」。ロー氏の妻、ローレンさんは訴訟を「ナンセンス」だとコメントした。
「心配していません」とローレンさん。「ジョーが犯した犯罪を見れば、彼の提訴を認める裁判官なんていないと言われました」
訴状にはさらにマルドナド=パッセージ被告が「彼がただ一人これで罪に問われているのは、彼が世界最大の数のトラや交配種を所有している、ゲイであることを公表している男性だからだ」と書かれている。
ローリングストーン誌のコメント取材に、合衆国魚類野生生物局から返答は得られていない。
・殺されたセックス・セラピスト、ハリウッドの光と影に翻弄された人生(写真)