スター・ウォーズ最新ドラマ『マンダロリアン』監督が語る、制作秘話「誰もがベビーヨーダに恋をした」

ー各チャプターにおけるベビーヨーダの見せ方は、ほとんど断片的ですね。たとえば、丸い形の乗り物からのぞく目だったり、コックピットの操縦レバーを握る手だったり……ベビーヨーダの全身がワンショットで写っているシーンはあまりないような気がするのですが、それは技術面での問題、それとも監督の意図的な選択だったのでしょうか?

どちらかと言えば、私の選択ですね。実務的なことでもなければ、技術的なことでもありません。その多くは、レス・イズ・モア(少ないことは良いこと)という感覚にもとづいてシリーズを作ってきたジョン(・ファヴロー)とデイヴ(・フィローニ)のディレクションのおかげです。過剰に使いたくないんです。適度に登場させることで、見たときのスペシャル感が高まりますからね。

ーベビーヨーダにさせたい動きについて、パペティア(人形使い)にどれくらい指示できるものなのでしょうか? あるいは、最終的にはデジタルエフェクトに頼らなければならない点などはあるのでしょうか?

何がすごいって、私たちは作業の大半をセットでこなしたんです。パペティアは最高の仕事をしてくれました。私たちは、俳優に演技指導するようにパペティアに指示を出しました。ベビーヨーダがその瞬間に感じていることに努めて意識を集中させ、技術面は気にしないようにしました。たとえば、「扉が開いて、(ベビーヨーダは)いま恐怖を感じている。だから、マンドーのほうを見て安心しようとする」のようなことを言いました。俳優を相手にしているのと同じように言葉で伝えて、ベビーヨーダの感情をストレートに表現しようとしました。


デボラ・チョウ監督

ー感情の演出について質問させてください。ペドロ・パスカルの顔がマスクで隠れているなか、監督としてマンドーの感情を視聴者にどうのように伝えようとしましたか?

当初は、これが最大の難関であることは確かでした。演技する上で助けとなる表情や目という手段がありませんから。そこで、複数の要素を組み合わせました。ひとつは、ペドロ本人と体の使い方です。やがて、ほとんどが静対動の問題に集約されていき、ちょっとしたジェスチャーがとても重要な意味を持つようになっていきました。それだけでなく、ディレクションという面で私たちはカメラを使ってペドロをサポートしました。引き返してベビーヨーダを迎えに行くコクピットのシーンでは、感情を表現できるようなカメラワークを心がけました。

Translated by Shoko Natori

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