米女子学生不明事件、24年前の謎を解き明かすのはポッドキャストの司会者

ポッドキャストの貢献

デニース・スマートも、2011年に就任したパーキンソン保安官が捜査に再び本腰を入れてくれたことに感謝している。「ポッドキャストが放送されたとき、奇跡が起きたと思いました」と彼女は言う。「これまでためらっていた人が、名乗り出るようになったんです……当然警察も新たな糸口が見つかり、持っていた情報と繋がってきています」

保安局がトリビューン紙に宛てた声明によると、パーキンソン保安官の就任以降、当局は捜査令状を18回出し、9カ所で物的証拠の捜索を行い、37の証拠をDNA検査用に提出した。さらに140の新たな証拠を発見し、91人に事情聴取を行った。

『In Your Own Backyard』は2019年9月から2020年1月まで配信された――そして第7回が配信された直後、2月上旬のあの日、捜査当局はスーザン・フローレス宅の玄関に現れた。4つの捜査令状を出し、それぞれの場所から「いくつか証拠品を押収した」と、スポークスパーソンのシポラはニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで答えた。「これから証拠を分析して、事件との関連性を調べていきます。我々は何としてでもスマート家のためにこの事件を解決します」

さらに同紙はその日、フローレスと見られる男がロサンゼルス郡保安局のパトカーに2時間拘束されていたこと――そして彼の自宅が家宅捜索の対象だったことを報じた。ローリングストーン誌に宛てた声明の中で、シポラもそれが真実であることを認めた。

スマートの事件に再び注目が集まり、一家はランバートの貢献を手放しで称えている。「全ての回を少なくとも2回は聞いています」とデニース・スマートは言う。「1回目が一番つらかったですね。自分たちの声が娘の話をしているのを聞いて驚きました。クリスティンの声も番組で紹介したかったです。いろいろな意味で、彼女はクリスと似ていました。初対面では内気で口数も少ないですが、楽しいことが大好きで、芯の強い子でした。何かをやると決めたら必ずやり遂げ、決して諦めませんでした。クリスの声を聞いていると、2人はすぐに良い友達になれただろうとよく思います」

ランバートは現在第7回まで配信されているポッドキャストの続きには取りかかっていないが、再びマイクを手にするときがいつ来てもいいよう、事件の経過を見守っている。彼のキッチンテーブルはスマートさんの事件の資料に占領され、メモや使用済みのバッテリーでいっぱいだ。彼とガールフレンドはリビングで食事を取っている。もちろん、彼が再びオンエアするときは、スマートの遺体が発見され、犯人が逮捕されていて欲しいと願っている――そのときが来たら、親しくなった一家と一緒に祝うつもりだ。そしてきっと、彼自身も普通の生活に戻れるだろう。「作曲生活に戻れるのが待ち遠しいです」と本人も言う。「これと比べたら、遥かに楽ですから」

Translated by Akiko Kato

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