グローバル・シチズンCEOが語る、ライブイベント制作秘話「ガガ母のサポートがあってこそ」

大物アーティストが一堂に会するイベントの実現は、なかなか手強い挑戦であることがわかった。というのも、グローバル・シチズンが主催しているライブイベント同様、今回の企画はパフォーマンスだけではないのだから。ジミー・キンメル、ジミー・ファロン、スティーブン・コルベアといった米国を代表する司会者たちもいれば、ビヨンセやアリシア・キーズのようなアーティストが音楽以外のステイトメントを発する場もある。2人の元ファーストレディーのコーナーもあれば、ウイルスと戦う一般市民たちのストーリー、さらには20社以上の企業ならびに慈善事業スポンサーによる費用負担も考えなければならない。「実現させるには、幾千にも及ぶハードルがあったと思います」とエヴァンス氏は振り返る。

イベント決定後、レディー・ガガは、自らポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、リゾ等、多数のアーティストに声をかけた。だが、ローリング・ストーンズはイベントへ参加表明を17日まで保留にした。最終的には、4つに分けられた画面に映し出されたストーンズメンバーによる自主隔離版「You Can’t Always Get What You Want(邦題:無情の世界)」は、イベントのなかでももっとも話題を集めた。ストーンズの返事が遅れた理由のひとつは、プロダクションの2日前までミック・ジャガーがほかのメンバーと今回のイベントへの参加について話し合うことができなかったからだ。メンバーは4〜5日のあいだに動画を集め、エヴァンス氏に参加の意思を告げた。「これは人伝に聞いたことですが、ライブ・エイドに惜しくもバンドとして参加できなかったから、今回こそは機会を逃すまいと思ったようです」とエヴァンス氏は続ける。「(ストーンズの参加によって)本当に勇気づけられました」。



チャーリー・ワッツが披露したエアドラムについて質問されると、エヴァンス氏は声を出して笑った。「全部がエアドラムというわけではないと思いますよ。最初のカットを観た時は、そばにドラムセットがなかっただけのことだったので、あるもので間に合わせなければいけませんでした。だから、終始エアドラムというわけではありません」とエヴァンス氏は言う。「でも、どうでしょうね。私の専門分野ではありませんから。私の専門は貧困の緩和と経済ですから、チャーリー・ワッツの演奏がエアドラムだったかどうかはわかりません。たとえそうだとしても、面白いことに変わりありません。確かなのは、チャーリーが家中探し回ってさまざまなものをかき集め、家の掃除に来てくれるお手伝いさんにiPhoneを持ってもらいながら動画を撮ったということです。ですから、チームワークの成果と言えるでしょう」。

・ビリー・アイリッシュ、「Sunny」のカバーを「One World」で披露

Translated by Shoko Natori

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