コロナ危機、写真で見る米オクラホマ州の人々「断酒会の集まりに参加できずつらい」

タルサ市のダウンタウンで撮影したハワード・シュワルツさん(Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威にさらされるアメリカ。ローリングストーン誌が捉えた現地の風景を写真とともにお届けする。今回はオクラホマ州。4月20日現在、同州のタルサ市ではCOVID-19の陽性者数が422人、合計22人が死亡している。

写真家のセプテンバー・ドーン・ボトムズは3月末に撮影した際、タルサの人々の多くはまだパンデミックに悩まされていなように見えたそうだ。「皆が普通に生活していました。公園には家族がいて、手袋をしないでガソリンスタンドに出入りし、素手で顔を触っていました」

写真ギャラリー:北タルサの住民が語る「コロナウイルスのことはあまり心配していない。私は神を完全に信頼しています」

・過ぎたるは猶及ばざるが如し
 
写真家のボトムズはダウンタウンの撮影中にハワード・シュワルツさんに出会った。「つらいよ」と彼は彼女に言った。「俺は断酒会に入っていて、集会に行かなくちゃいけないのに、鍵がかかっていてドアが閉まってるんだよ」。何か気をつけていることはあるかと聞かれると、彼はこう言った。「特にない。手袋もしてない。友達といつも話をするんだけど、俺たちは大丈夫だって信じてるんだ。そう、きっと過ぎ去るさ」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・ペンテコステ教会

「この辺りの教会の看板に書かれたメッセージは 少し皮肉な感じがします」とボトムズは言います。「パンデミックをリファレンスにしたかのような内容です」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・公共交通機関

タルサ市のバスでは乗客が近づきすぎて座るのを防ぐために、座席に警告文が付けられている。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・ビジネスの難しさ

15年間、テリーさんとベサニー・ニーマンさんは、タルサ市の郊外にあるジェンクスで自分たちのカーボディショップをオープンさせるべく働いてきた。念願叶って店はオープンできたものの、2年経ってパンデミックが襲ってきた。

Photo by Melody Kuo

・エッセンシャルワーカー

タルサ市のダウンタウンの通りは、必要不可欠な労働者とされる建設労働者を除いて、日中はほとんど人通りがない。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・卒業記念

高校3年生のアシュル・ディルクスさんは卒業式が中止になってしまいましたが、彼女は街に誰もいないこの機会を利用して、タルサのダウンタウンで写真を撮ることにした。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・G.T.バイナム市長

タルサの自宅で仕事をするG.T.バイナム市長。バイナムは、市内のレストランやバーを閉鎖することを決めた日は、家族の死以外では「人生で最悪の日」だったと語っている。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・バーチャル記者会見

バイナム市長がタルサでバーチャル記者会見を開きました ボトムズによると 彼女はマスクを着用していた唯一の女性だったという。「私は何にも触れないようにしていたのですが、消防士の方に記者会見場まで案内されて、元気よく素手でドアを開けてもらい、その後また素手でエレベーターのボタンに触れました。私が過度に被害妄想を抱いているのか、それとも他のみんながとてもリラックスしているのかを判断するのは難しかったです」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・プランの変更

オクラホマ蒸留所は蒸留酒の製造から消毒剤の製造にシフトしました。オーナーのハンター・ガンビルさんは1000ガロン以上のハンドサニタイザーを製造し、収益の一部は避難所で働く労働者を支援するために使われています。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・ちょっとしたユーモア

タルサから45分ほど離れた場所にある農場で。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・ドルツリー

マイケル・リーシュさんは、ドルツリー(アメリカの100円ショップ)で物資を購入する。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・手袋の有無

ジーン・ジャクソンさんは70歳。ドルツリーで買い物の際はゴム手袋を着用。「私は本当はマスクや手袋をするつもりはなかったのですが、71歳の友人に勧められました」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・コロナウイルスガイドライン

タルサの歩道に落ちていたガイドライン。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・北タルサ

ローランド・ウィリアムズさんはは今も毎日子供を連れて公園へ。「コロナウイルスのことはあまり心配していない。私は神を完全に信頼しています。私の子供たちは誰も予防接種を受けていません」とウィリアムズさんは語る。「私は子供たちを街中の公園に連れて行き、異なる環境に慣らすようにしています。ダウンタウンの誰もが大きな変化を感じていますが、私たちは適切な医療を満足に受けられないという問題に慣れているので、ここでの生活はいつも通り続けています」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・ドライブスルー

タルサのたばこ店「Firewalker Smoke Shop」にとって、ドライブスルーの営業はいつも通り。

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

・荒涼としたダウンタウン

「オクラホマの人々はタフで、ここで生き残るための覚悟を持っています」と写真家のボトムズは語る。「文句を言わずに耐え、今できることをやるのです」

Photo by September Dawn Bottoms for Rolling Stone

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Translated by Rolling Stone Japan

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