ビートルズとストーンズはどちらが上? ポールとミックが語る「ライバル」への見解

新型コロナウイルスによって音楽業界のほとんどが閉鎖された現在、マッカートニーには宣伝すべきものはほとんどないが、この電話出演では近日公開予定のドキュメタンリー映画『The Beatles: Get Back』にも言及した。ピーター・ジャクソンが監督したこの映像作品は、1969年のアルバム『レット・イット・ビー』制作中に撮影された未公開の記録映像から紡ぎ出している。この映像のオーディオは何年も前にリークしているが、1970年公開のドキュメンタリー作品『レット・イット・ビー』で使用されなかった大量の記録映像はこれまで一度も公開されていない。

「(ジャクソンは)54時間分の記録映像を手に入れた。これは最高の作品だよ、ハワード、私が保証する。あのときのことが、私とジョンとの関係性が、私とジョージとの関係性が、とにかくすべて明らかになっていて、どんな状況だったのか理解できるはずだ」とポールが説明した。




伝説の『レット・イット・ビー』セッションの緊張感はつとに有名で、ドキュメンタリー映画『レット・イット・ビー』にもそれが十分に現れていた。しかしポールは、ジャクソン監督の新たなドキュメンタリーを見てショックを受けたと言う。そして「私自身、自分とジョンはライバル同士で、互いに相手を好ましく思っていなかったという考えを信じていた。でもこの作品を観て、『なんてことだ、あれは嘘じゃないか』と思ったね。私もジョンも一緒に楽しんでいた。映像から私たち二人が互いをリスペクトしているのが見て取れるし、二人は協力して音楽を作っているんだ。あの姿が明らかになったのは嬉しいことだね」と述べた。

ポールがジャクソンと初めて対面したのは、2017年後半にワールドツアーの一環でニュージーランドに行ったときだった。「彼に会って『どんな具合だい?』と聞いた。だってバンド解散へのプレリュード的な作品になると思っていたから。彼は『自分も最初はそう思っていたけど、映像を見るにつけ、これは最高だと思うようになっている。君たちは友だちに見えるし、二人とも心の底から楽しんでいるようだよ』と言ったんだ」と、ポールが当時を思い出した。

ドキュメンタリー映画『The Beatles: Get Back』は9月4日に劇場公開される予定になっているが、新型コロナウイルスの影響で公開日が先延ばしされる可能性も捨てきれない。「現時点では今後の予定は誰にもわからないよ。でもこの作品は必ず公開される。ディズニーはリリースする気だからね」と、ポールが教えてくれた。

Translated by Miki Nakayama

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