メタリカのラーズが語る、コロナ時代の過ごし方「レイジの音楽はいつだって裏切らない」

ラーズ:それ以外だと、みんなもそうだと思うが、昔好きだった音楽を聞き直している。たぶん、ここ2〜3カ月で最も聞いているのがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだね。彼らの音楽が日々どんどん今の状況に合ってきていると思うのは俺だけかな?(笑)今の世界の状況を的確に表わしていると思うんだよ。まるであの4枚のアルバムが先週作られたばかりって感じすらするもの。ワークアウト中に彼らのアルバムをかけるんだけど、必ず「うっ、ヤバイ」ってなる。だって「カーム・ライク・ア・ボム」とか「スリープ・ナウ・イン・ザ・ファイアー」とか「Bombtrack」とか、それまで全然気づかなかったものを発見して「マジか? なんだコレ? こんなもんがどこから来たんだ?」って思ってしまう。やっぱり、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはいつだって裏切らない音楽ってことだな。

―レイジの再結成ツアーを楽しみにしていたのですが、今現在あのツアーのスケジュールは宙に浮いた状態ですよね(編注:その後、バンドは全日程を1年後に延期すると発表)。

ラーズ:当初、俺たちはエルパソで初日を観る予定だった。彼らが2011年にやった最後のライブを観たから、次のライブもジェスと息子たちと一緒に行くつもりだったんだ。いつにしろ、彼らがライブをするときには必ず観に行くけどな。



―今、あなたのファンに伝えたいことは何かありますか?

ラーズ:世界中の人たちが健康なことを願っているし、彼らの愛する人たちも元気で、こんな状況でもみんながちゃんと暮らしていることを願っている。俺が今感じていることの一つが、世界はどんどん狭くなり、コミュニティがどんどん深くつながっているってこと。そして、この大変な時期にメタリカの音楽がみんなの助けになっているという事実に感謝しているよ。

毎週ライブを配信している#MetallicaMondaysに寄せられるフィードバックは、みんなが今後の楽しみに目を向けるきっかけになるし、人々が集まってビューイング・パーティーを開く機会にもなっている。そこで人々が交流し、自分の気持ちや考えを話し合っているんだ。実際に音楽が何らかの変化を起こせることも、この未曾有の状況下で人々を助けていることも最高だね。それと当時に、俺たちは今後のツアー復帰の方法を考えているし、そのときに直面するであろう状況がどんなものかも考えている。もし、もうしばらく外に出られない時間が続くのであれば、音楽でみんなとつながる次の方法を見つけ出すし、これまでとは異なる新たな状況下で音楽作りに精を出すことになると思う。


メタリカは5月1日、メンバーそれぞれの自宅から「Blackened」をパフォーマンスする映像を公開

Translated by Miki Nakayama

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