苦境に立たされたマーチャンダイザーの挑戦「それでもツアービジネスは不可欠」

2017年のグラストンベリー・フェスティバルで、グッズ売り場に列をなすオーディエンス(Photo by Invision/AP/Shutterstock)



大手レーベルの関連業者はレジェンドたちのグッズ販売で耐えしのぐ

ソニー・ミュージック・エンターテインメントのマーチャンダイザーであるThread Shopの上級副社長で代表を務めるハワード・ローも、その考えに賛同している。eコマースビジネスの比重がより高い同社では、バンドル販売、マスクを含む新製品の開発、ヴァーチャル空間でのコンサートと連動したグッズの考案等に取り組んでいる。Thread Shopは去年、ビートルズやジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン等のツアーが望めないアーティストのグッズ販売権を獲得したが、それらはeコマースで堅調なセールスを記録しており、通販売上の成長率は2桁に達している。

Bravadoと同様に、従業員の一時帰休または解雇を回避できているThread Shopは、より小規模なマーチャンダイザーよりもこういった危機に強い体制を確立している。ローはコンサートビジネスが復活するまでの間、Thread Shopがツアーに出ないアーティストたちのグッズ販売に注力していくとしながらも、どんなマーチャンダイザーもツアーグッズの販売なしにはビジネスを長期間続けていくことはできないとしている。

「ツアーの欠落はあらゆるマーチャンダイザーにとって痛手ですが、当社はソニー・ミュージックとしっかり連携しており、各レーベルとも頻繁にやり取りを交わしています」。ルーはそう話す。「アーティストの新作が発売される際には、私たちはグッズの販売機会やバンドルについて提案しています。それは単なるビジネスではなく、新作のプロモーションとして非常に有効な戦略となっています。それでも長期的に見れば、マーチャンダイザーが生き延びていくにはツアービジネスが不可欠です」

Translated by Masaaki Yoshida

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