Kan Sanoが語るコロナ時代の表現と暮らし「音楽と生活、政治が地続きなのは間違いない」

Kan Sano、自宅で撮影


今、求められているのは熱量とスピード感

―最近だと4月の終わり頃にスピッツ「チェリー」のカバーをアップしてましたが、あれもみんなが楽しめるようにと思って?

Sano:そうですね、サービスというか(笑)。

―その「チェリー」は単なる弾き語りではなく、わざわざビートも組んでましたよね。

Sano:そんなに時間はかけてないですけどね。でも、ある程度の手間はかけないと。今はいろんなアーティストが動画や音源、写真などをアップしてて、クオリティの高いものはいっぱいあるんで、ビートを組むくらいは全然普通ですよ。時間だってありますし。

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#スピッツ #チェリー

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―星野源さんの「うちで踊ろう」にも、かなり早い段階で反応してました。

Sano:たまたまフォロワーさんが教えてくれたのかな。まだ誰もやってなくて、「これ本当にやっていいのかな?」と思いつつ、「とりあえずやってみよう」ということで、軽いノリでパッと作って、(「うちで踊ろう」がアップされた)翌日にパッて出しました。ああいうのはスピード感が大事というか。その後にいろんな人が出し始めましたけど、最初の方に出せたのは良かったですよね。

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session with @iamgenhoshino ! #うちで踊ろう #星野源 #kansano

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―あとはインスタのストーリーズで質問に答えたり、ファンと交流してますよね。

Sano:世の中があまりに息苦しくなっているので、自分の中でガス抜きをしないと精神を保てないような感覚があるんですけど、それはフォロワーの人たちも同じっぽくて。世の中が厳しくなればなるほど、僕の中でサービスが過剰になっていくんですよね。

―Sanoさんって毎年クリスマスソングをアップしたり、SNSを積極的に活用してる印象だったから、最近の投稿も「いつものノリなのかな」と思ってましたけど、そういう意図もあったんですね。

Sano:うん、今は何かやってないと落ち着かないっていうか。みんなに楽しんでもらいたいし、同時に自分自身の精神を保つためにやっているところもあって。

―演奏したものをSNSにアップして、それを見てもらったりすることが、自分にとってのセラピーになると。

Sano:僕の場合はそうかもしれない。もちろん、単純にフォロワーを増やしたいっていうのもありますよ。平常時に戻ったときの集客やCDの売り上げにも繋がりますし。まずは自分の音楽を届けたいというのが先にあって、そのためにSNSをやってますから。

―ちなみに、配信するとき持ってると便利な機材とかあります?

Sano:まあ、基本的にはiPhone一台あればできちゃいますよね。今は配信用のオーディオ・インターフェイスを買おうか迷ってるところではありますけど。

―言われてみれば、以前から撮影自体はラフですよね。例えばorigamiのレーベルメイト、関口シンゴさんが配信するときは毎回同じアングルじゃないですか。自分のなかでフォーマットが決まっていて、それを着実にブラッシュアップしてる感じがあるけど。

Sano:あれはメチャクチャすごいですよね。

―それに比べて、Sanoさんは思い付きを大事にしていますよね。アングルというかiPhoneを置く位置も毎回バラバラだし。

Sano:僕は自分の中でモードがよく変わるんですよね。ファッションも髪型もそうなんですけど、ずっと同じっていうのが耐えられない。セッキー(関口)が毎日アップしてる動画は本当にすごいですよね。勤勉というか、もはやサラリーマンですよね。最初はそんなにアクセスがなかったみたいですけど、続けていくことでフォロワーも増えたみたいで、立派ですよね。

―でもSanoさんみたいに、カッチリやらずにiPhone一台で、思いついたときのフィーリングでやればいいってのも面白いんですよ。

Sano:最近はインスタのストーリーズを一日一回は更新すると決めてるんですよね。星野源さんのもそうだけど、スピード感が勝負だと思うんですよ。何かやろうと思ったらパッとすぐに出す、その熱量みたいなものがフォロワーのみんなにも伝わるんじゃないかと思ってます。

―なるほど。映像含めて作り込んだクオリティよりも、スピード感やパッション、テンションだったりを大事にしてると。

Sano:その話で思い出したんですけど、音楽評論家の中山康樹さんがビートルズの全曲解説をした『これがビートルズだ 』って本があるんですけど、あれも熱量がすごいんですよ。中山さんも実際、一気に書いていったみたいで。僕はそういうライブ感が好きなんですよね。

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