ローリングストーン誌が選ぶ、史上最高のアカデミー受賞・ノミネート作品15選

11. 主演男優賞(1976年)

『タクシードライバー』よりロバート・デ・ニーロ、1976年(Photo by Everett Collection)

同部門へのノミネート:ロバート・デ・ニーロ(タクシードライバー)、ピーター・フィンチ(ネットワーク—受賞)、ジャンカルロ・ジャンニーニ(セブン・ビューティーズ)、ウィリアム・ホールデン(ネットワーク)、シルヴェスター・スタローン(ロッキー)

「俺に用か?」、「エイドリアーン!!」、「私は怒ってるんだ、もう耐えられない!」など、普段からこのようなボキャブラリーを使っているという人であれば、この年の主演俳優賞候補のラインナップは、ストライクゾーンからそれほどずれていないのではないだろうか。とはいっても、すべての候補者は、さまざまなスタイルでニュアンスに富む見事な演技を見せてくれた。『ネットワーク』では落ちぶれていく権力者を演じ(フィンチ&ホールデン)、『タクシードライバー』と『ロッキー』では体を鍛え(デ・ニーロとスタローン)、フィンチとデ・ニーロは正常さと紙一重の不吉な預言者となった。アメリカでは5人のなかでもっとも知名度の低いジャンニーニでさえ、アカデミー賞では珍しい外国語映画(イタリア語)、さらにはもっとレアな女性監督が手がけた作品で好演している(その年、リナ・ウェルトミューラー監督は監督賞にノミネートされた初の女性監督となった)。

12. 主演女優賞(1981年)

『黄昏』よりキャサリン・ヘップバーン、1981年(Photob by Everett Collection)

同部門へのノミネート:キャサリン・ヘップバーン(黄昏—受賞)、ダイアン・キートン(レッズ)、マーシャ・メイソン(泣かないで)、スーザン・サランドン(アトランティック・シティ)、メリル・ストリープ(フランス軍中尉の女)

バトンを渡すとは、まさにこういうことなのかもしれない。1981年、キャサリン・ヘップバーンは最後となる12回目のアカデミー賞主演女優賞部門へのノミネーションを果たし、オスカーを4回手に入れた唯一の俳優となった。メリル・ストリープにいたっては、15回目となるノミネーションを手に入れたばかりだった(2016年2月時点)。歴史に名を残す名女優たちのあいだには、メイソン(主演女優賞へのノミネート4回)、キートン(4回)、サランドン(5回)という存在感あふれる女優たちもいた。まさに、『黄昏』という表現がぴったりだ。

Translated by Shoko Natori

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