ザ・クロマニヨンズやThe Birthdayからの刺激―それから2019年に入るとツーマンのライブシリーズ「亜無亜危異 presents SHOWDOWN 2019」がスタートしました。BRAHMAN、The Birthday、eastern youth、GAUZE、ザ・クロマニヨンズ、怒髪天、GEZANなどなど、長く活動しているバンドから亜無亜危異を慕う若手までいろんなバンドと対バンしたわけですが、いい刺激を受けたんじゃないですか?仲野:うん。すごくいい刺激を受けた。昔はスターリン、ルースターズ、ロッカーズなんかとやって、「負けねえぞコノヤロー」って思いでやってたわけだけど、去年もまたそういう気持ちが蘇ってきてさ。「クロマニヨンズ、負けねえぞ」みたいな。だからすごく刺激的だったね。
―昔は相手に対して「ぶっつぶしてやる」みたいな気持ちが強かったと思うんですが、いまはどうなんですか? 和気あいあいみたいなところもあったりしました?仲野:そりゃ楽屋とかでは和気あいあいだけど、ステージに出たら相手も「亜無亜危異に負けたくない」って思ってやってるだろうし、オレたちも負けるわけにはいかないからね。そういう意味で、ワンマンのとき以上にテンションがあがるよね。
―対バンの相手は、みなさんで考えてリクエストしたんですか?寺岡:それはスタッフが考えてくれて。
仲野:いや、オレはリクエストしたよ。叶わなかったけどね。SHISHAMOとWANIMAとやりたいって言ったんだけど。
―いろんなバンドとやったなかで、特に印象に残っているのは?仲野:クロマニヨンズとやれたのはやっぱり嬉しかったね。あと、The Birthdayも。オレたちと全然タイプが違うから。
―クロマニヨンズのヒロトさん・マーシーさんも長くやってますけど、これまで意外と接点がなかったですよね?藤沼:どっかですれ違ったりは何回かしてるけど、一緒にはやってないね。
仲野:ちょうど亜無亜危異が活動中止したタイミングでブルーハーツが出てきて、入り代わりだったからね。オレ、初めてブルーハーツの話を聞いたのは、白竜からだったんだよ。マリが事件起こす前に最後に5人でやったライブが筑波の「29BAR」ってとこでさ。白竜がそこにいて、ライブが終わったあとに「なんか茂みてえな面白いやつのいるバンドがあるんだよ」って言ってて。それはよく覚えてる。オレたちが5人でやるのはそのときが最後になっちゃったから。
―The Birthdayとやった2月のO-EASTは僕も観ましたけど、ファン層がまったく違うのが面白かったです。仲野:うん。The Birthdayの客は亜無亜危異の客と違って、すげえクールだった。客までチバみてえだなって思った(笑)。
―それから去年6月に江古田マーキーでやった「BACK TO MARQUEE」もあとあと伝説になりそうな凄いライブでしたね、途中で電源が落ちたこと込みで。江古田マーキーでのライブ&トーク映像寺岡:電源落ちたことが逆によかった。あれによって一体感が生まれたからね。
―確かに。真っ暗になってアンプラグド状態になったなか、観客みんなが声を出して歌っていて。亜無亜危異はやっぱりハプニングに強いバンドだなと思いましたよ。仲野:そうだね。そういうのを楽しめるほうだからね。
―電源が落ちたとき、観客の誰かが「マリのいたずらかな」と言ってたのも印象的でした。仲野:マリ、寂しがって降りてきたんだね。
―そしてその翌月にはフジロックの前夜祭に出演。あれも凄かった。普段の亜無亜危異のライブは親衛隊のひとたちが前のほうを陣取って観てますけど、あのときは亜無亜危異を初めて観る人ばかりが大勢集まって、そういうひとたちが興奮して飛び跳ねまくっていて。FUJI ROCK FESTIVAL’19前夜祭にて、筆者の内本順一が撮影藤沼:こっちが出した音に素直に反応してくれるっていうのはいいよね。斜に構えたりしないで、とりあえず楽しもうとしているあの感じは、フェスならではだなと。外人の客もガンガンのってたし。
仲野:前の年は、ロッカーズが前夜祭に出たらしくてさ。ニューイヤーロックフェス(NEW YEARS WORLD ROCK FESTIVAL)で陣内に会ったときに、「茂、フジロックの前夜祭はめっちゃ楽しいぜ。前夜祭だから気楽にやれるし」って言うわけ。だからそのつもりで行ったら、後ろのほうまでパンパンに入っててさ。オレ、楽しいどころか、緊張しちゃって。けっこうプレッシャーだったんだよ。こう見えてオレ、ノミの心臓だからさ。陣内のほうが心臓強いんだなと思って。いや、でも、すごいよかったよ、フジロック。
寺岡:ああいうアウェィ感のあるところでやる機会はなかなかないので、すごく刺激になったよね。