多くのアメリカ人が命を落とすなか、ゴルフに興じるトランプ大統領は無神経なのか?

2018年7月15日、スコットランドのサウス・エアシャーにあるトランプ・ターンベリー・リゾートでゴルフに興じるトランプ大統領(Photo by Andrew Milligan/PA Images/Getty Images)

パンデミックによる全米の死者が10万人に達しようという中、大統領は5月23日、ホワイトハウスを後にして個人所有のゴルフコースへ。「経済再開のメッセージ」という見方もあるが、かつてゴルフ休暇をバッシングしていたのは他ならぬトランプ氏だった。

コロナウイルス危機に対する政権の不手際やパンデミック中の共感の欠如など、数々の批判の矢面に立たされているトランプ大統領だが、土曜日はホワイトハウスを後にして、ゴルフを楽しむことにしたようだ。

複数のメディアが報道しているように、この日大統領はバージニア州スターリングにあるトランプ・ナショナル・ゴルフクラブへ向かった。大統領が個人所有のゴルフコースに赴くのは3月上旬以来初めて。この2回の「半勤半休」の間、大統領は5月にも1度キャンプ・デーヴィッド(大統領専用別荘)で休暇を過ごしている。その時にもゴルフをしたかどうかは定かではない。

トランプ大統領のゴルフ休日は、最近とみに訴えている経済再開のメッセージと一貫している。とはいえやはり、無神経さや共感の欠如はぬぐえない。アメリカではパンデミックによる死者数が10万人に届こうかという状況で、しかもこの週末はメモリアルデー。本来であれば戦没者を弔う厳かな日だ。

また、トランプ大統領の職業倫理の欺瞞も伺える。アメリカ大統領選への出馬を表明する数カ月前、トランプ氏は国籍陰謀論一色に染まり、数々のケーブル局のニュース番組やトーク番組に出演して、アメリカ初の黒人大統領バラク・オバマ氏の権威失墜を図った。だが根拠のない人種差別撃の手をいったん休めると、今度はオバマ氏のゴルフ趣味を問題視した。

今回のことも、「ツイート語録」がなければさほど大騒ぎにはならなかっただろう。びっくりするほど毎回何かしらツイートが出てくる。

Translated by Akiko Kato

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