toe・山㟢廣和とカクバリズム・角張渉に聞く、ライブと新型コロナと行政の戦い

toe・山㟢廣和とカクバリズム・角張渉(山㟢廣和 Photo by Takuya Nagamine)


国の補償に対する、ミュージシャン&CEOとしての見解

―ライブハウス支援の広がりについては、どのように感じていますか?

山㟢:窓口はいっぱいあっていいと思っていて。ライブハウスは最初に行政から名前が出ちゃったのがすごく大きかったわけだけど、逆に言えば、困窮してることが一般の人にもわかりやすく伝わったわけですよね。でも、僕らの周りで言うと、イベンターさんとか、PAさん、ローディーさん、ライブに関わる人たちが一斉に仕事がなくなって、しかもそういう仕事はフリーの人が多いので、すごく打撃を受けてると思うんです。だから、ライブハウスだけじゃなくて、それに付随する職業の人も同じくらい大変で、でも一本化しにくいから、支援も難しい。それは音楽に限らず、演劇にしても何にしても、人前で何かをやる表現を収入にしてる人たちは一律何もできない状態なので、国や自治体が現状をある程度把握して、補償してくれるのが一番だとは思うんですけどね。

―国の補償に対しては、何か思うことがありますか?

角張:僕は実際に会社で融資の相談をしていて、やりとりは面倒ですし、業績を見られちゃうとかはありますけど、でも融資って金を貸すことなんで、借りることに対してポジティブな会社にとってはすごくいい条件だと思います。金利がなかったり、あっても相当低く普通より安く借りられるわけだから、借りれるなら借りた方が今後を考えると会社を経営してる身としては思いますね。ただ、フリーの人たちにとってはわかりづらいし、実際融資なり助成金なりが認可されるのは遅いって銀行の人も言ってたので、溢れ落ちてる部分がいっぱいあると思います。

山㟢:僕が体感的に思うのは、今は政府がダメ過ぎちゃって、実際に対応してる区役所の人とか保健所の人は「こうしてあげたい」って気持ちをみんな持ってるけど、それが上からの指示でスムーズにできないっていうか。俺も会社のことで区役所とか信金に行って話をすると、やっぱりこういう状況だから、何でもないときに金借りに行くよりも、親身になってくれる人が多いんです。でも、政府と現場で働いてる人の感覚がまったく合ってない。そこにすごく現状が表れてるなって。インターネットの情報なのでわからないですけど、市井の人の生活を第一に考えて、素早く動いてる国は上手く切り抜けられてると思うんですよね。日本はちょっと遅れて流行ったから、成功例を見てるのに、何でそれを取り入れて、素早く動けないのかなっていうのは思いますね。

―「MUSIC UNITES AGAINST COVID-19」に関しては、「6月末まで支援を続ける(6月末まで音源が聴ける)」という形で動き出したわけですが、現状を踏まえて、今後に関してはどうお考えですか?

山㟢:実際に動き始めてからも、いろんなバンドの方から「参加したい」って言ってもらったんですけど、今回は最初に期限を決めて、そこに向けてみなさんに時間のない中いろいろな障害をクリアして動いてもらったので、後から言ってくれたのは追加してないんです。すごくありがたいんですけどね。ただ、全国のライブハウスの窓口に辿り着けるインフラができたので、第2弾なのか……要は商品だけ変えて、同じ仕組みを使えば、引き続き何かできるんじゃないかっていう気はしてます。

Edited by Yukako Yajima

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