LUNA SEAのSUGIZOとINORANが語る「連帯」と「愛情」

リモートレコーディングで制作された新曲「Make a vow」の背景

―ちなみに、INORANさん的にバックパックから取り出してみて意外とこれは良かったなというものはありましたか?

INORAN:さっきも言った太陽が昇ることと、あとは野菜が美味いことです(笑)。外食できないので食材を買いに行くんですけど、野菜が美味しいし、行くたびに違いが分かるんですよ。例えば大根だと、今週は葉が付いているなとか。値段が下がっていると、これ余ってるんだなとか。で、その一つひとつを大事に育ててくれている人がいる。値段が150円だとして、安い・高いで考える話じゃないというか。そう考えると曲もそうだなと思って。1曲百数十円で売られてたとしても、安いとか高いとかそういう風に考える話じゃないなと(笑)。

―(笑)。

INORAN:ウチの親父は機械関連の会社のサラリーマンだったんですけど、工業製品って製造したものの95%が完成品で、残り5%は不良品になると言われてるんです。親父は今、畑で作物を育ててるんですけど、5割良ければ御の字だねって言うんですよ。天候の影響もあるから、ヘタしたら半分が不良品になる。でもその半分にポジティブをくれるヒントが隠されてると思います。

―LUNA SEAとしてはリモートレコーディングされたシングル「Make a vow」を配信しましたね。

INORAN:コロナの影響でツアーをどうするというミーティングをリモートで何回もしてたんです。その中でふとRYUICHIから「LUNA SEAは止まってるだけじゃなくて、いつでも動き出せる準備をしとかなきゃいけないし、準備できてるぜっていうのをしっかりファンの人に示したいよね」っていう話が出てきて。「曲を作れないかな?」という話になり、ものの10分ぐらいで作ろうって決まったんです。それがきっかけですね。未発表の曲で何かあった?っていう話になって、SUGIZOが「これがある」って言ったのがこの曲で、そのままSUGIZOが「俺がアレンジするよ」って。そこから始まりました。



―原曲もアレンジもSUGIZOさん?

INORAN:原曲はRYUICHIです。もともとは僕がアレンジしてアルバム『CROSS』に入らかなった曲です。自分は新鮮じゃなくなっちゃうと嫌になっちゃうんで「スギちゃんやって」って言ったら、「じゃあ俺やる」って。

―INORANさんとしてはこの曲にどんな想いを込めましたか?

INORAN:“一緒に生きていこう”ですね。それはバンドの僕らや僕らの仲間もそうだし、ひいては大げさかもしれないけど、今生きている人達と一緒に生きて行こうという想いを伝えたかったです。そしてそれはミュージシャンとしての自分達の役目だと思っています。曲のタイムラインが進んでいくように、僕らもプレイしながら前へ進んでいくって感じでギターを弾きました。

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