LUNA SEAのSUGIZOとINORANが語る「連帯」と「愛情」

左からSUGIZO、INORAN

結成30周年記念アルバム『CROSS』を昨年リリースし、そのツアーを2020年に始めた矢先にコロナ禍に見舞われ、残りのスケジュールが全て延期。

その一方、4月末にはリモートレコーディングしたシングル「Make a vow」を配信。さらに5月31日にはLUNA SEAの呼びかけにより、テレワークによる医療従事者・フロントラインワーカーズを支援するフェス『MUSIC AID FEST.~FOR POST PANDEMIC~』を開催する。常に動き続けるLUNA SEAからSUGIZO(Gt, Violin)とINORAN(Gt)がリモート取材に応じてくれた。

―今はどんな生活を送っていますか?

INORAN:去年の12月にLUNA SEAの30周年アルバム『CROSS』をリリースして、そのツアーを今年の2月からスタートした時点で状況が変わってしまって。結局、ツアーは4公演だけやって中止になりました。そこからは、次のツアーのことをいろいろ考えていたんですけど、世界の情勢を考えるとこの先長いだろうなと思い、曲を作りを始めました。主にはソロなんですけど、ずっと作曲してますね。

SUGIZO:LUNA SEAの「Make a vow」を突貫工事で制作し、同時に『ジビエート』という7月放送予定のアニメのオープニングとエンディングテーマ曲の作業などもあり、さらにプロデュースしているVOGUE5という中国の若手バンドのミックスを仕上げたりと、コロナで物事が止まっていても相変わらず忙しくしてます。ただ、いつもに比べて家で映画を観る時間や本を読む時間はある感じです。子どもの時にテレビで観て、断片的にしか覚えてなかった衝撃作があって、せっかくだからそれをこの時期にと思ってブルーレイで観たらすごくよかった。今を予見していたんじゃないかっていう、深作欣二監督の映画『復活の日』。この作品を観ていると、パンデミックがまだこれぐらいの規模で安心できるというか、不思議な感覚になります。

【画像】近況について語ったSUGIZOとINORAN

―コロナ禍の中での曲作り、何か変化はありましたか?

INORAN:“変わること”が変わらないです。東日本大震災の時もそうだったんですが、悲しいこと、つらいこと、楽しいことがあったら心が動くのと一緒で、僕の曲は状況次第で作るものも変わってくるので。

―Stay Homeをしていて何か気づいたことや感じたことはありましたか?

INORAN:一つ感じたのは、人間には一人ひとりいろんなルーティンがあるなということですね。例えば、朝歯を磨くのもそうだし、僕の仕事で言えばアルバムを出してツアーに行くのもそう。その何気ないルーティンが、楽しいと思えるかって大事なことなんだなと。何気ないところに大切なことが転がっているなと感じました。例えば、僕は少し前から早起きの習慣にしたんですけど、毎朝朝日を見ているんですよ。それがすごくいい。現代人って自分のキャパいっぱいに何かを詰め込んでしまうでしょ? 特に東京などの都市部で過ごしてると、詰め込むことで常にバックパックがいっぱいになって、その中身の大切さをすっかり忘れてる。でもこのコロナ禍でバックパックを開けて、俺こんなナイフ持っていたんだとか、こんな懐中時計持ってたんだとか、じゃあそれを取り出して磨こうとか、中身に意識が行く。自分の時間を見つめ直すきっかけになったというか。

―時間に追われて“自分”というバックパックに詰めたものを手に取る余裕がなかった。それが変わったということですね。

INORAN:しかも自然とではなく、亡くなられた方や今も闘病されている方がいる、その上での気づきなんです。東日本大震災の時と同じで、生きている僕らがアップデートしていかなきゃいけないと思いました。先日、テニスの錦織圭選手が言ってましたけど、今は「Stay positive」だと。確かにそうだなって思います。巣篭もりしているけど、やれることはすごくいっぱいあるわけで。

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