踊りやすいナンバーだが、これまでとは異なる趣に「Together」は、童話のようなメタファーが飛び交うなか「一緒ならもっと上を目指せる」と明るくアドバイスするハッピーソングだ。踊りやすくはあるが、ふさわしい場所は、ナイトクラブと言うより子どもたちの誕生日パーティーだろう。
ホリデーアルバム『Everyday Is Christmas』をリリースしただけあり、シーアは元々明るい楽曲もこなせるソングライターだ。しかし、「キッズ向け」に寄った今回は、いろいろな意味で新境地と言っていい。じつは、「Together」は、彼女が原案・監督をつとめる映画『Music』のために書き下ろされた音楽なのだ。主人公となる自閉症の少女を(「Chandelier」ミュージックビデオにも出演した)マディー・ジーグラーが演じる程度しか情報が明かされていないため口惜しいのだが、もしかしたら、「Together」を皮切りとする『Music』の楽曲群はシーアの「ダークな作家」といったパブリックイメージをも書き換えることになるかもしれない。そして、彼女の親友であるライター、
ヒレル・アロンの感想を見るに、こちらこそ真のシーア・サウンドのようだ。
“快活なその曲「Together」は、「シャンデリア」等よりもずっと彼女のパーソナリティにマッチしている。ブリッジの部分で彼女はこう歌う。「私は愛を求め、そして与えたがってる / 誰か愛を届けて お願いだから」”
【関連記事】辰巳JUNKが解説、今日のポップカルチャーを知るための25の新常識シーア 「トゥゲザー」
https://sia.lnk.to/TGTHRMe各音楽ストリーミングサービスで配信中