泉谷しげる、サディスティック・ミカ・バンド、シャネルズ、熱狂の海外ライブアルバムを辿る





1981年7月発売のライブアルバム、シャネルズの『LIVE AT WHISKY A GO GO』から「THAT IS ROCKN ROLL」「FOOLS FALLIN LOVE」、2曲続けてお聴きいただきました。2曲目のボーカルは、トランペット&ボーカル桑野信義さん、クワマンさんですね。シャネルズのデビューは1980年2月『ランナウェイ』です。つまりデビューして翌年ですよ。このライブアルバムが三枚目のアルバムですね、ライブが行われたのが5月27、28日。さっきの泉谷さんがライブをしたトルバドーレは1957年に開店したフォーク系のメッカですね。トルバドーレは吟遊詩人という意味ですから、シンガーソングライターが多かった。 WHISKY A GO GOはすごいですよ、開店が1964年、出演者の幅がものすごいです。ローリング・ストーンズに「GOING TO A GO GO」という曲があります。これはオリジナルはモータウン・レコードのミラクルズが歌ってるんですけども、このGO GOというのはWHISKY A GO GOのことなんです。で、ドアーズとかジミ・ヘンドリックスとかバーズとかバッファロー・スプリングフィールドとか、もう西海岸のそうそうたる人がほとんど。そして、ザ・フー、キンクス、ツェッペリンとかロキシー・ミュージックとかイギリスからも来ている。ヴァン・ヘイレンとかガンズ・アンド・ローゼズとか西海岸のロックの歴史のようなライブスポットなんですね。そこでデビュー2年目の彼らが英語で歌ってます。デビュー曲の「RUNAWAY」も英語で歌ってるんです。さらに、この日に初披露だったのが、日本で大ヒットした「HURRICANE」ですね。では3曲いっちゃいましょう。もう一曲は1959年のザ・コースターズの曲で、これもローリング・ストーンズがカバーしております。「POISON IVY」。







お聴きいただいたのは、シャネルズの1981年のライブアルバム『LIVE AT WHISKY A GO GO』から「RUNAWAY」、「HURRICANE」、「POISON IVY」、3曲続けてお聴きいただきました。泉谷さんがトルバドーレに出るのに半年かかったという話がありましたが、シャネルズはもっとかかってるんですね。1980年の2月にデビューして、7月にロサンゼルスに行って、 WHISKY A GO GOのアマチュアナイトに飛び入りしてるんです。そこでお店の人とか業界関係者に印象付けて、翌年5月にこうやって2日間の公演を行なったんですね。3曲目の「POISON IVY」を聴いて、鈴木雅之さん以外の方も歌ってるなと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、客席にコースターズ、オリジナルを歌っていたグループのメンバーが遊びに来ていた。彼らもステージに上がって一緒に歌ったという光景ですね。客席にはアンディ・ウォーホルがたまたま遊びに来ていた。のちにラッツ&スターが『ソウル・バケーション』というアルバムのジャケットをアンディ・ウォーホルに頼んだ時、「あの時の若者か」と言ったと聞いたことがあります。これはマーチンさんがよく言っていますけど、シャネルズは日本人初の黒人ですからね(笑)。顔を黒く塗ってでもそういう音楽をやりたかった。本当に念願だったというのは、このライブからよく感じ取れますね。このライブアルバムは、日本のアルバム・チャートで1位になったんです。海外で録音したライブアルバムが、日本のアルバムチャートで1位になったのは、これが最初じゃないでしょうか。そういうライブのフィナーレをお聴きいただきます。これもベルベッツというグループのカバーで「TONIGHT」、そして「CLOSING THEME(IN THE STILL OF THE NIGHT)」です。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE