ローリングストーン誌が選ぶ「アニメーション映画」ベスト40

Everett Collection (4)


24位『アクメッド王子の冒険』(1926)

公開から90年近い月日が経ったいまも、空想の世界が舞台のおとぎ話を描いたドイツの影絵作家・映画監督ロッテ・ライガニーの『アクメッド王子の冒険』は観る人をまたたくまに虜にする作品だ。映像は緻密な影絵によるものだが、その動きは流れるように滑らかである。もっともシンプルな道具が生み出した正真正銘の魔法なのだ。さらに、ライガニー監督と共同制作者たちが予め決められた計画なしに制作していたことを考えると、その偉大さにただただ驚かされる。そもそもルールというものがなかったおかげで、監督たちは3年にわたって思いのままに想像力を発揮し、実験を試み、世界初の長編アニメーションのひとつを完成させた。同作は、いまでもこのジャンルの最高傑作である。SA

23位『イエロー・サブマリン』(1968)

ビートルズの大冒険を描いた1960年代末期のサイケデリックな『イエロー・サブマリン』の「頭のスイッチを切って、流れに身を任せてゆったり漂っていこう」という雰囲気を醸し出せる映画はそう多くはない。同作の主人公であるジョン、ポール、リンゴ、ジョージに課せられたミッションは、楽しいこと嫌いのブルー・ミーニーズから海底の楽園ペパーランドを救出すること。たしかにFAB4のメンバーは声優として出演していないが、同作を手がけたジョージ・ダニング監督による幻覚のようなアニメーションとビートルズのなかでももっとも奇抜な楽曲が融合した結果、一度観たら一生忘れられないポップ・アートのジェットコースターが完成した。同作の成功は、長編アニメーションを得意とするディズニー以外にも多くの道があることをメインストリームに知らしめた。JS

22位『トイ・ストーリー』(1995)

ピクサーは、無敵のデビュー作『トイ・ストーリー』を携えて意気揚々とアニメーション界に躍り出た。パワフルなテーマ、ユーモアのセンス、独自のスタイルをはやくから備えていた同作は、やがては現代の正統派長編アニメーションのスタンダードと目されるようになる。子供時代の素朴でありながらもエモーショナルな表現を屈指することで当時は革新的と注目されたピクサーのチームは、キュートなおもちゃたちを生み出した。続編が増えるごとに『トイ・ストーリー』を見返すと、まるで古い友人に再会したような気分になる。ウッディ(トム・ハンクス)とバズ・ライトイヤー(ティム・アレン)は、最高に楽しいお笑いコンビだし、何回聴いてもランディ・ニューマンの主題歌「君はともだち」はグッとくる。CB

21位『レゴ®️ムービー』(2014)

秘密に満ちた子供の遊び道具の世界を表現できるのは『トイ・ストーリー』シリーズだけじゃない。それを証明したクリス・ミラーとフィル・ロードの両監督による楽しくもおどけた組み立てブロック玩具を題材にした映画『レゴ®️ムービー』は、超自然な甘い声とおばかさんキャラ特有のユーモアを巧みに操るクリス・プラットをスターに押し上げた。テレビドラマ『パークス・アンド・レクリエーション』の出演者のひとりであるプラットは、同作で平凡なレゴの主人公エメットの声優を担当している。ある日エメットは、悪役のロード・ビジネス(ウィル・フェレル)から世界を救うために選ばれたヒーローであることを知る。エメットの冒険はまったくの紋切り型であることは事実だが、同作はそれを完璧に理解し、爆笑必須のパロディーに仕上げている。社名にもなっている製品をテーマにした長編広告を作るのは簡単だ。だが、その製品と同じくらい楽しく、絶え間なくイマジネーションを掻き立ててくれる映画を作るのはかなり大変だ。TG

Text: Sam Adams & Charles Bramesco & Tim Grierson & Noel Murray & Jenna Scherer & Scott Tobias & Alissa Wilkinson / Translated by Shoko Natori

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