マイケル・J・フォックスが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を語った、1985年の秘蔵インタビュー

ーどこでも好きな時代にタイムトラベルできるとしたら、どこに行きたいですか?

マイケル:前に一度、北米インディアンについて可能な限り読み漁ったことがある。インディアン文化のど真ん中――果てのない世界――に放り込まれたらどんな感じだろう、とよく思いを巡らせたよ。それから、(今シーズンの『ファミリー・タイズ』第1話の撮影で)イングランドに行ったとき、エリザベス1世の時代から続くパブで過ごした。ここでのんびり座って、当時の常連だった追いはぎ連中と語りあうのを想像した。でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティと同じように、行き当たりばったりなのがいいな。

ー長年ずっと魅了されている史実などはありますか?

マイケル:僕は歴史ファンだけど、歴史の専門家じゃないよ。僕が歴史を読むのは、エンターテインメントのためなんだ。キリスト生誕とか、読んでみると超クールだよ。火の発見にしてもさ。ある日誰かが石を落としたら火花が散った。「ああ、なんてきれいなんだ」 それでもう1度石を落としたら、今度は火花が落ち葉に燃え移った。そこへ僕が登場して、近づいてこう言うのさ。「こんなの燃えるうちに入らない」 そしてマッチを擦る。

ー常にエンターテイナーですね。

マイケル:そうさ、紀元前1万年前の大道芸人だよ。僕はみんなを笑わせるのが大好きだ。そういえばすごく小さかった時、お客が来る予定だったので母が「2階にいって、違うパンツを履いてらっしゃい」って言った。それで僕は2階にあがって、下着姿で降りてきた。「パンツはこれしか見つからなかったんだもん」って言ってね。本当バカバカしいだろ! だけどみんな大爆笑だった。あれが僕にとって、ささやかなきっかけになったんだと思う。



ー高校を中退して大学に行かなかったことを、この先後悔すると思いますか?

マイケル:卒業しなかったことは気にしてない。学校は束縛する以外、何も教えてくれなかったしね。悔しいのは、演劇のクラスで不可だったことだ。僕はバンクーバーで大ヒットした舞台にも出ていたし(『遠い追憶の日々』)、TVシリーズもやってた(『Leo and Me』)のに、演劇のクラスを落としたんだ。それもある日授業をさぼって、袋を頭にかぶって鼻歌を歌いながら、後ろ向きによたよた這いつくばらなかったという理由でね。本当だよ。でも、いつか大学には行きたいと思っている。僕は作家向きじゃないかという気がするんだ。ただ、脳みそと手を連動させる道すじがまだはっきり定まっていない。学校に通って、その道すじを作ることができたらいいな。

Translated by Akiko Kato

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