マイケル・J・フォックスが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を語った、1985年の秘蔵インタビュー

ーご自身も昔ギターを弾いていましたが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の高校のダンスパーティのシーンは、夢がかなったんじゃないですか?

マイケル:ああ、弾きこなすまでに相当練習したよ。最初の編集カットを見た後、ロバート(・ゼメキス)が僕に感想を訊いてきたから、「僕の顔のカットばかりじゃないか!僕の手を見せてくれよ!」って言った。「自分の顔を映すな」なんて言う役者、想像できるかい? だけど、観客には僕が本当に演奏しているってことを知ってほしかったんだ(実際にサウンドトラックの音楽は、スタジオミュージシャンが演奏している)。僕にギターを教えてくれたポール・ハンソンという人は、昔はふつうの話し方だったのに、LAの大勢の若者にギターを教えているうちに、「おい野郎、今のめちゃヤバかったな。くそっ、あのリフをすっかりマスターしちまいやがって」みたいな話し方をするようになった。ボブもそういう話し方になったんだ。僕が「今のヤバかったね、ボブ!」というと、彼も(真面目な声で)「ああ、とびきりヤバかったね、マイケル」ってね。

●誰もが弾きたくなった「ジョニー・B・グッド」、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』名シーンを回想

ー映画の中でも特に愉快なシーンのひとつが、50年代にやってきたマーティが1985年の大統領は誰かと尋ねられる場面です――ちょうど道路沿いには、町の映画館にロナルド・レーガン主演の『バッファロウ平原』の看板がかかっていました。俳優が大統領になることについてどう思いますか?

マイケル:僕はカナダ人だから、アメリカの政治についてどうこう言うつもりはないよ。レーガン氏について世間がどう思っているかはさておき、彼に対する批判の中で唯一無意味なのは、彼は元俳優だから、というものだ。ばかげてるよ。「彼は緑色の靴を履いている」っていうのと変わらない。僕がこんなことを言うのも、いつかカナダの首相になろうと思っているからなんだけどね。

ー本当ですか?

マイケル:いや、まさか。僕が政界に入ったら、カナッペばかり食べてる外交官になるだろうよ。

ー家に一人きりでいるときは、どんなふうに過ごしたいですか?

マイケル:些細なこと、たとえばスポーツ番組を見ながら、冷蔵庫を開けて、中を見たら何も食べるものがなくて、パタンと閉める、とか。何しろ、ここのところゆっくりする暇もないんだよ。

ー恋人のナンシー・マッケオンとは?

マイケル:お互い相手のことについて口外しないって約束したんだよね。彼女がこの記事を読んだら殺されちゃうな。でも面白い話があってね。『High School USA』というTVムービーで共演したとき、僕らはよく一緒にいて、親しくしていた。決して――撮影中はちゃんと付き合っていたわけじゃないけど、なんとなくそういう風になるだろうなという予感はしていた。のろけてるみたいだけど、映画の後彼女がニューヨークに行くことになって、お土産に欲しいものはあるかと訊いてきた。僕は「シェーファービールの6缶パックをひとつ」と答えた。ニューヨーク・アイランダーズ[訳注:NYを拠点にするアイスホッケーのチーム]の試合に流れる「シェーファーの街で、みんな仲良く」っていうCMが好きでね。「他には?」と彼女が言うから、「ああ、そうだな、ジェーン・ポーリーかな[訳注:TV番組の司会者]」 後から彼女に聞いた話では、その時にキュンとしたんだって。おかしな話だろ。

ー本当に意地悪ですね。

マイケル:さあ、どうだろうね。暴露しちゃってごめんよ。ばらしちゃった。

※編注:マイケル・J・フォックスはその後、1988年に女優のトレイシー・ポランと結婚している。

ーでは今からあなたを未来にお連れして、ピンチから救ってあげましょう。タイムトラベルのお供には誰を連れて行きますか?

マイケル:分かりやすい人がいいな。予期せぬ出来事に遭遇したときに、どんなリアクションをするのか見てみたい。

ーつまり、ある種の実験をしたいと?

マイケル:そう、さらに上のエンターテインメントを目指すのさ!

Translated by Akiko Kato

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