コロナで見えた「ネクストレベル」の可能性―お二人の中には、「下の世代のために」という意識もありますか?ermhoi:そういう部分もあるんですけど……もうちょっとエゴが強い気がします。たとえば、今リアルに生活困ってる友達とかがいたりするので。未来に希望があるかっていうと……あるって言いたいんですけどね。とりあえず今身近な未来からよくしたいなって気持ちが強いですね。
ーまだまだ自分たち自身が、時代の当事者としてこの先何十年も生きていかなきゃいけないわけですしね。AAAMYYY:私もそう思います。でも特に政治って、尾を引くものじゃないですか。たとえば水道民営化の問題も、今に始まったことじゃないですし。そのときの国民はしっかりと理解して行動したのかどうかを、下の世代から責められるものでもありますよね。というのも、私がまだ選挙権がなかった頃の小泉政権のときに、今に尾を引く当時の政策もたくさんあって、当時の有権者だった上の世代を責めたくなっちゃいますしね。未来の世代には、今よりも良くなっているところで過ごしてほしいので、下の世代のためにというエゴはあります。でも色々な問題が現状どんどん露呈してきてるから、今、目の前のことをやれるだけやるのがベストなのではないかなって、話しながら思いました。
―コロナ禍で起きたことや考えたことが、今後のお二人の楽曲制作にはどういった影響が生まれてきそうですか?ermhoi:この時期、やっぱり、ひとつの作品に対してかける時間が増えました。時間をかけて作った2曲が、あと少しで完成します。すごく内省的になった時期が曲に表れているなって思いますね。過去とか、今は見られない世界に想いを馳せているのが、曲に表れているんじゃないかなって。あと、やたらと空間が広い音楽になった気がします。狭い部屋にずっといたから、外への欲望が出てる気がしますね。
AAAMYYY:ホイちゃんと一緒で内省的というか、脳内宇宙的というか。自分の時間がある中で、家で没頭して作っているので、すごく内なる世界に入った作品になるのではと思っています。ライブもできず外出もできず、政治的発言をすればものすごい勢いで叩かれというタームを経ているので、そのなかで思うことが作品に昇華されるのは間違いないです。ソロに関しては、去年の暮れ頃から、打ち込みもしつつバンドメンバーを入れるスタイルに挑戦していて、実はコロナのぎりぎりまでレコーディングをしていたんですよね。自分的には、ネクストレベルというか、いい感じだなと思っています。コロナに入ってからは、Tempalayではひたすら曲を作ってる状況なんですけど、ツアーもリリースの予定もすべて後ろ倒しになっちゃって。スタジオ練習も避けているのでメンバーには会ってないんですけど、オンラインでやり取りしつつ、初めてのやり方で曲作りをしてます。
ermhoi:私も、Black Boboiでは遠隔で制作してます。みんな同じマイクを買って、それぞれがパソコンで作って、たまにZoom会議しながら、データをやりとりして着実に進んでます。
AAAMYYY:かっこいいですね。みんなDTM女子だもんね、最高です。あと、前までのライブや制作の日々も充実していたけど、コロナの影響で家にいるようになって、家で過ごす時間ってめちゃくちゃ大事なんだなと思うようになりました。
ermhoi:私も。生活が改善されたのもあって、すごくポジティブになった。
AAAMYYY:改善できる点がすごく見えたなあとか思ったりして。それはみなさんそうだと思うんですよね。よりネクストレベルな働き方や人間生活が見えてきたと思うので、みんなすごくポジティブになってるんじゃないかなって思います。
ermhoi:それはすごく感じる。みんなの音が楽しみだよね。
〈配信イベント情報〉
AAAMYYY x Black Boboi
2020年6月28日(日)
OPEN 18:50 / START 19:00
料金:1500円
詳細:
https://wallwall.zaiko.io/_item/327067〈リリース情報〉
AAAMYYY
「HOME」
配信中
https://ssm.lnk.to/home_AAAMYYYermhoi
『E & Amphitrite』
配信中
https://ermhoi.bandcamp.com/album/e-amphitrite-2