ヴァン・ヘイレンの人気アルバム・トップ10

8位『Balance』(邦題:バランス 1995年)


リリース時点では誰も予期していなかったが、本作でもってヴァン・ヘイレンの一つの時代が終焉した。これはサミー・ヘイガーがボーカルを務めた最後の作品であり、ラジオでのヒット曲を生み出した最後のアルバムでもある。ヘイガーの加入当初にあった仲間意識はなくなっていたが、バンドはどうにかこのアルバムを完成させ、「キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」「アムステルダム」「ドント・テル・ミー」といった曲を録音した。一部の古参ファンにとってはバラード曲が多すぎたが、それでも数百万枚のセールスを達成し、大規模なツアーも敢行された。それらが終わってすぐに、グループは完全にバラバラになってしまった。





7位 『OU812 (1988年)


1988年当時のファンは、脱退から3年経ったデヴィッド・リー・ロスとヴァン・ヘイレンのどちらが大きな成功を収めるのか興味津々だった。ヴァン・ヘイレンが『5150』で力強く再始動してみせた一方で、ロスもラジオを通じて多くの曲をヒットさせており、ワイルドなキャラもMTVにぴったりだった。ロスは同年1月、スティーヴ・ヴァイと一緒に作曲し「まるっきりパラダイス」「ダム・グッド」というヒットを収録した『スカイスクレイパー』を発表、本物のソロ・スターになるかと思われた。

そこから4カ月後、ヴァン・ヘイレンから届けられた回答が『OU812』である。全米1位を達成したこの洗練されたアルバムからは、「フィニッシュ・ホワット・ヤ・スターテッド」「ブラック・アンド・ブルー」「ホエン・イッツ・ラヴ」「フィールズ・ソー・グッド」といったヒットが生み出され、最終的にはプラチナ・ディスクに4回認定されている。ロスにもはや競り合うだけの力はなく、数年のうちに彼のソロキャリアは霧散するが、ヴァン・ヘイレンはアメリカ最大のバンドでありつづけた。



Translated by Rolling Stone Japan

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