氷室京介とRCサクセション、キングオブロックのライブ盤を振り返る

ROXY / 氷室京介

氷室京介さんの「ROXY」。1988年9月に発売になった1stアルバム『FLOWERS for ALGERNON』の中の曲です。2004年8月22日に東京ドームで行われた『KYOSUKE HIMURO "21st Century BOØWYs VS HIMURO”』からお聴きいただいております。21世紀のBOØWYたち、Boyという意味もありますね。それと氷室京介を対決させるというタイトルですね。バンドからソロになるという形は大きく分けて2つあります。一つはバンド時代の栄光とか名声をどこか使いながらソロ活動をやっていく。もちろんバンド時代の曲も歌っていくという生き方ですね。もう1つは過去を封印する。バンド時代の曲は歌わない。違う道を行く。バンドとは違う音楽を目指す。氷室さんは後者でしたね。封印どころか仮想敵と言っていましたからね。敵はBOØWYだと。インタビューの中でもBOØWYは禁句、絶対に使わないでくださいという時期がずっと続いて、それを解禁させた。しかも対決させた。BOØWYを遊びでやれるようになってこうなった、それがこのライブでありましたけども、そうさせたのが2003年に出たアルバム『Follow the wind』があったからだと私は思っています。あのアルバムの手応えがそうさせた。その中の曲「Weekend Shuffle」。そしてBOØWY時代の曲「ONLY YOU」。2曲続けるとどうなるでしょう?

Weekend Shuffle / 氷室京介
ONLY YOU / 氷室京介

55000人の大合唱ですよ。エンジニア人が観客の声が大きすぎて音が録れないと悲鳴をあげたというライブです。ドームのあの広さ、あの人数ですからね。歓声と大合唱のタイムラグがあって、ボワーっと何を歌っているのか分からないくらいの“音”として収められているリアルなライブアルバムですね。氷室さんのライブアルバム『KYOSUKE HIMURO "21st Century BOØWYs VS HIMURO』から、ソロの「Weekend Shuffle」とBOØWY時代の「ONLY YOU」と2曲続けてお聴きいただきました。ビートの違い、お分かりいただけましたか? バンドの音が複雑に組み合わさって、それが過激に暴れているという。こういうビートを作りたくてアメリカに行ったということもあるんでしょうね。表面が攻撃的だということだけではなくて、内面までも攻撃的。しかもそこにHIPHOPの要素も入っているという。こういうアルバム、こういう曲ができたから、BOØWY時代の曲と並べても凌駕できるという、そういう自信があって実現したライブと言って良いでしょうね。次の曲もそういう大合唱が聴けます。

Rolling Stone Japan 編集部

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