史上最高の「タイムトラベル映画」20選

3位『ターミネーター2』(1991年)

元祖『ターミネーター』(1984年)は素晴らしい前振りをしてくれた。アーノルド・シュワルツェネッガー演じる未来の殺人サイボーグ(いかにも彼らしい)が、のちに人類反乱軍のリーダーを生むことになるウェイトレスのリンダ・ハミルトンを殺しにやってくる。だがそれから7年後、ジェームズ・キャメロン監督は続編でさらに上を目指した――ド派手な爆破シーンやCGIてんこ盛りで視覚的に圧倒するだけでなく、この先の未来を知った人類は自由意志を失うか、という哲学的なパラドックスに挑戦した。




2位『ラ・ジュテ』(1962年)

28分の傑作がモノクロのスチール写真のモンタージュとフランス語のナレーションで語るのは、終末戦争を回避すべく未来からやってきた男の物語。美しい女性が男の最期を看取る、という幼いころの記憶が彼の頭に焼き付いて離れない――結果的に、彼はタイムトラベルの真綿にがんじがらめになる。この短編映画があまりにも完璧なので、ハリウッドも黙ってはいなかった。巨額の製作費をつぎ込んで長編映画としてリメイクしたのが、テリー・ギリアム監督、ブルース・ウィルスとブラッド・ピット出演の1995年の映画『12モンキーズ』だ。





1位『恋はデジャ・ブ』(1993年)

必ずしもタイムトラベルは、プロットの重要な要素として何百年も時を旅しなくてはならないわけではない。数時間のこともあれば、わずか数秒のこともある。登場人物はタイムループにとらわれることもあれば、パラレルワールドを生み出すこともあるし、自分の祖父を殺しさえもする。すべては監督が決めた設定次第だ。この記事の掲載時点では、タイムトラベルはまだフィクションの領域を出ていない。ビル・マレー主演のコメディで描かれるタイムトラベルは1日限定だが、この映画が長く愛される理由もそこにある。人生をやり直すチャンスを与えられたら、次はもっと上手くやろう、というコンセプトだ。この幻想の裏に流れるのは、人生は今すぐやり直せるという教訓。2月3日のグラウンドホッグ・デー以降も、現在形でやり直せるのだ。

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Translated by Akiko Kato

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