österreichが遂に本格始動、新作『四肢』全曲解説&制作を語り尽くす

österreichのアーティスト写真(Courtesy of パーフェクトミュージック)


脊髄で書いてる感じなんです。そんなに頭を使わないようにしてるというか

―最後に、歌詞の話も聞きたいんですけど……。

高橋:歌詞の話が一番難しいんですよね(笑)。歌詞はいちばん最後に書くんですけど、制作の中でいちばん楽だし、ホントに全然苦ではなくて。だからこそ、人に説明しづらいというか。

―楽と言っても、ぞんざいに扱っているわけではないということですよね。

高橋:いや、かなりぞんざいですよ(笑)。

―今回の4曲の歌詞を見ると、同じワードが使われていたり、連続性を感じるというか、4曲でひとつの物語を描いているようにも聴こえます。もう一度、ボカロ出身者の名前を出させてもらうと、ヨルシカとかYOASOBIはすごく物語を大切にしていて、風景が浮かぶ感じも含め、österreichと共通する部分があるように思うんですけど、國光くんは作家的にプロットを意識しているわけではない?

高橋:「ストーリーあるんですか?」とか「小説っぽい書き方ですね」ってすごく言われるんですけど、まったく意識してなくて、脊髄で書いてる感じなんです。そんなに頭を使わないようにしてるというか……嫌なんですよね。歌詞に関しては、頭を使ってすごく考えて書くことに対する危機感がめちゃくちゃあるんです。

―さっき「ぞんざいに扱ってる」って言ったのも、つまりは「頭を使って考える」ことを避けるために、あえてやっていることというか。

高橋:そうですね。なにかに規定されることが嫌なんだと思います。歌詞って本来なんでもアリじゃないですか。「なにを書いてもいい」がちょっとでも揺らぐのはすごく危ないなって。

―自分にも聴き手にもフィルターをかけてしまう危険性がありますよね。

高橋:それがすごく嫌なんだと思います。人によって受け取り方って違うから、想像力を削いじゃうのはめちゃくちゃ危ないなって……でも、自分が人の曲を聴くと、「これってどういうことなの?」って、本人に聞きたくなるんですけど(笑)。


曲もてんでバラバラだし、本質的には全然四肢じゃねえなって(笑)。

―じゃあ、僕も遠慮なく『四肢』というタイトルについて聞かせてください。SoundCloudには「幻肢」という曲も上がっていて、関連がありそうですね。

高橋:「幻肢」って言葉は、3年くらい前に自分の中で流行ってたんです。石田くんに「今の自分の状況を一言でたとえたらなんなの?」って言われて、ポロッと「幻肢」って言ったんですよ。「ないのに、あるように痛む」みたいな状況。本来痛まないはずの部位が痛んでる、みたいな感覚だって話をして、それからその言葉がずっと重くて。

でも、もうそうでもないというか。今はなにかやるってなったときに、サポートメンバーも、会社の人も、ライブハウスの人もいて、一緒にやってくれるから、ようやくまた別のベクトルで、自分でやっていけるかもって思って。そういうこともあって、今作はもともと4曲入りだし、『四肢』かなって。いろいろ考えたんですけどね。「ニワトリ絞め、魔法陣置き」とか(笑)。

―それちょいちょい出てくるね(笑)。ダブルミーニングでも受け取れるタイトルというか、「今は周りの人たちの存在が自分の四肢になってくれてる」とも受け取れるし、そういった人たちのおかげで、「自分自身の四肢を取り戻した」とも受け取れるなって。

高橋:でも矛盾があって、ホントの意味の四肢であれば、自分の思い通りに動くはずなんですけど、全然思い通りに動いてはないんですよね。曲もてんでバラバラだし、本質的には全然四肢じゃねえなっていうのもあって(笑)。

まあ、結果として、今回5曲を世に出せたっていう事実がいちばんありがたいし、重いなと思ってて。「やったからには、またやるしかないよね」って、自分に対するプレッシャーにもなるから、そういう意味でも、一枚出せて良かったです。作品性とかは、もうホントに聴く人に任せるというか。

―これまではひとつの作品ごとに「やりました」で終わっていたのが、今回は「やりました。またやります」というところまで思い描けてる。その差は大きいですよね。

高橋:やるしかないんで、やっていこうと思ってます。




österreich 『四肢』
<配信版>
2020年6月26日(金)配信開始
収録曲:
1. swandivemori
2. 映画
3. きみを連れてゆく
4. 動物寓意譚
配信リンク:https://linkco.re/RYFzPuQc

<CD盤>
2020年6月26日(金)公式通販にて受注開始
(※発送は7月中旬以降予定)
収録曲:
1. swandivemori
2. 映画
3. きみを連れてゆく
4. ずっととおくえ [CD盤先行収録曲]
5. 動物寓意譚
価格:2,000円(税別)
購入リンク:https://recomall.theshop.jp/categories/1448839

https://osterreich.jp/

Edited by Aiko Iijima

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