「反逆者」名乗るアメリカ陸軍兵士、終身刑覚悟で米軍襲撃を計画

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アメリカ陸軍兵士が、イギリスに拠点を置くネオナチ集団に情報を漏洩し、自らが所属する部隊の襲撃を計画したとして起訴された。

司法省が発表した報道声明によると、ケンタッキー州ルイヴィル出身のイーサン・メルツァー被告(22歳)は、アメリカ国民の殺害共謀および殺害未遂、軍関係者の殺害共謀および殺害未遂、テロリストへの物的支援供与および供与未遂、外国での殺害共謀および傷害共謀で起訴された。

起訴状によると、メルツァー被告は2018年に米陸軍に入隊。2019年10月に現在の部隊に配属されるまでの間に、O9A(Order of the Nine Angels)やISISといった過激派集団のプロパガンダを吸収した。5月14日、メルツァー被告は携帯メールからTelegram上のO9Aのスレッドに、「自分の軍での訓練と生存能力、その他組織とのつながり」は同グループの役に立つと思う、というメッセージを送信した。5月17日には、所属部隊の配属先をアルカイダのメンバーと思しき人物に伝達していた、と起訴状には書かれている。

「メルツァー被告は所属部隊の配属先、戦力、兵器について、ネオナチ系無政府主義の白人至上主義グループに不法に明かし、部隊への殺害奇襲を指揮したとみられます」と、ニューヨーク州南地区連邦検察局のオードレイ・ストラウス検事代理は声明のなかでこう述べた。「メルツァー被告には、生死にかかわるかもしれぬこれらの情報がジハード主義者グループのテロリストの手に渡ることを承知のうえで漏洩していたとみられます。このように、メルツァー被告は人種差別と憎悪にかられ、このような重大な背信行為を謀ったもようです」

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5月23日、被告はO9Aのメンバーに、「文字通り自由な生活を犠牲にして」所属部隊の情報を提供する、という携帯メールを送り、今回の襲撃が「新たな戦争」の引き金となって「mascal(mass casualtyの略)」、すなわち大量の死傷者が出ることを望む、と述べた。起訴状によると、その後彼は所属部隊の配属先や監視能力に関する情報を送信し、「襲撃の成功率を最大限にあげるため」、さらに詳しい情報を後日送ると約束した。

襲撃で自分も死ぬ可能性があると書いた上で、メルツァー被告は「構うもんか」と続けた。「とうの昔に死んでいてもおかしくはないんだ……それにこの先中東でまた10年戦争が起きれば、間違いなく影響が出るだろう」

6月10日に逮捕された後、メルツァー被告はFBIとの事情聴取ですぐに自供し、「できるだけ多くのアメリカ軍人に死をもたらしたかった」と供述した。また自らを「アメリカ合衆国への反逆者」と呼び、アメリカ軍への襲撃計画は「謀反に等しい」とも認めた。もっとも重い罪であるアメリカ国民への殺害共謀罪で有罪になれば、メルツァー被告には終身刑が言い渡される。

南部貧困法律センターの説明によると、O9Aは「謎めいた悪魔教のオカルト集団で、とくに過激な信者は生贄やナチズム、ファシズム、アーリア人神話を謳い、アドルフ・ヒトラーやオサマ・ビン・ラディンを信奉していると言われている」。昨年イギリスの反人種差別グループは、テロ攻撃を計画して逮捕された16歳の少年がO9Aから影響を受けたと供述したのを受け、集団の活動禁止を呼び掛けていた。

O9Aはイギリスを拠点にしているが、アメリカにも勢力を広げ、2017年に複数の死者を出したシャーロッツヴィルの抗議デモでメンバーを増やした別の極右グループAtomwaffenともつながっている。O9Aの聖典はメンバー(通称ノクタリアン)に対し、警察や軍隊、極右政治団体といった主要組織に6カ月潜伏することを強く推奨している。

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Translated by Akiko Kato

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