ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」に出てくる例のリフ、鳥居真道が徹底考察

ハンソンのアー写にNIRVANAのロゴをつけた画像をプリントしたTシャツ(Photo by 鳥居真道)


「MMMBop」の翌年にヒットしたシュガー・レイの「Every Morning」もブレイクビーツのサンプル風のドラムが使用された「Louie Louie」タイプの曲です。こうしたタイプの曲は探せばもっと見つけることができるかと思われます。また、ザ・スワンプ・ラッツが1966年にリリースした「Louie Louie」のカバーなどはほとんど「Smells Like Teen Spirit」と言って過言ではないでしょう。いや、それはさすがに言い過ぎか。ちなみに、こちらはカート・コバーンもファンだと言っていたザ・ソニックス版を下敷きにしたものだと思われます。



余談ですが、「MMMBop」のサビにはトレンドを反映してターンテーブルのスクラッチが入っています。「Smells Like Teen Spirit」のギターの「チャカチャカ」という16分のブラッシングを聴くとどうしても「キュピキュピ」というスクラッチを連想してしまいます。

こうした観点から「Smells Like Teen Spirit」を1990年代的なブレイクビーツの感覚を伴ったロックの一種として捉え直すことも可能ではないかと考えてみました。捉え直したところで何になるのかという話はここでは捨て置きます。しかし、改めて聴いてみると別にそうでもないかもと思わざるを得ませんでした。それはなぜか。

当連載の前回の記事でJBの「全員ドラム」について言及しましたが、「Smells Like Teen Spirit」はさしずめ「全員ギター」と言ったところでしょうか。中心に例のギターリフがあり、それをベースとドラムで肉付けするという構造になっています。発想としてはザ・キンクスの「You Really Got Me」やレッド・ツェッペリンの「移民の歌」、ザ・ナックの「My Sharona」のアレンジに近い。ひとつのリフをバンドで太く濃くするというものです。JBの細かいリズムパターンの掛け合いで曲全体を形作りのとは真逆の発想と言えるでしょう。ところで、カート・コバーンは自分たちのサウンドを「ブラック・サバスやブラック・フラッグに犯されたザ・ナックやベイ・シティー・ローラーズ」と説明したことは有名な話ですが、改めて「うまいこと言いますね」と感じた次第です。

Rolling Stone Japan 編集部

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