ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」に出てくる例のリフ、鳥居真道が徹底考察

ハンソンのアー写にNIRVANAのロゴをつけた画像をプリントしたTシャツ(Photo by 鳥居真道)


話を戻しましょう。「Smells Like Teen Spirit」のドラムはブレイクビーツっぽさを感じないこともないが、やはりアレンジの主役はあくまでギターリフです。ギターリフそのものがブレイクビーツ的なリズムを内包していたというほうが適切なように感じます。

ニルヴァーナの歴史を見たときに、「Smells Like Teen Spirit」のギターのようなサブディビジョンが16分音符でシンコペートしたリズムパターンの登場はいささか唐突に思われます。

「Smells Like Teen Spirit」がピクシーズにインスパイアされて書かれたことはとても有名な話です。カート・コバーンがあまりに「ピクシーズすぎる」ことを気にしてボツになりかけていたそうです。カート・コバーン本人が言うように、ピクシーズの「ラウド・クワイエット・ラウド方式」で曲全体にダイナミクスがつけられています。アレンジの細かいところに関しても「Gigantic」や「Where Is My Mind?」的な要素が感じられます。リズムにおいては「Gigantic」のコーラス前のハットが16分刻みになる箇所に影響が伺えます。



リズムで言えば「Debaser」的と言えそうです。「Debaser」の8分刻みのギターリフと16分刻みのドラムのパターンを圧縮してひとつにしたのが「Smells Like Teen Spirit」のギターリフなのではないかという気がします。「Smells Like Teen Spirit」はアレンジを練り上げる段階で、クリス・ノヴォセリックの提案でテンポを落としたそうなので、元は「Debaser」ぐらいのテンポだったのかもしれません。「Debaser」のドラムをギターに落とし込んだものを、デイブ・グロールが「移民の歌」的な発想で例のドラムをつけたということなのではないかと思います。あくまで妄想でしかありませんが。

Rolling Stone Japan 編集部

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