パノラマパナマタウン、洋楽ロックへオマージュ捧げた3曲の制作秘話

こうして、企画第2弾としてデモ3曲を完成させたパノラマパナマタウン。スタイルの異なる3曲に各メンバーがアプローチしていく中で、曲として変わっていく姿を示してくれた。そんなパノラマパナマタウンにインタビューを敢行。今回3曲を仕上げていく中で、どういったアプローチをしていったのか話を伺った。

ー今回、ザ・ストロークスとザ・フー、オアシスのオマージュでデモを作ろうと思われた理由を教えてください。

浪越:今回作っていた曲たちは、どれもロックな曲に仕上げたいと思っていました。最初からオマージュだったわけではなかったのですが、自分たちの最初のアルバム『SHINKAICHI』の「SHINKAICHI」という曲は、Oasisの「Rock ’n’ Roll Star」を意識していて、それが気に入っていたので、ロックなデモが上がってきたところで、今回もそういったオマージュを込めたいなと狙っていました。例えば、「Chameleon Man」のイントロのギターの”キリキリ”といった音とドラムとの兼ね合いはOasisの「Supersonic」を思い出しますよね。その瞬間に1990年代のイギリスから今日に至るまでだったり、いろんな景色が見えて来るのは自分の音楽の楽しみ方の一つです。

ー現在、ドラムはサポートのオオミさんが叩かれていますが、デモにドラムを入れる段階でのアプローチはどのようにされているのでしょう?

岩渕:最初デモを作る時に僕が入れてるドラムはあくまで仮で、ざっくりとした展開が分かるようなものなんですが、それをオオミに入れ直してもらいデモの骨組みが完成します。オオミに関しては、サポートメンバーとして入ってもらってるけど、元々大学の友人で、気心しれた仲なので、細かいコミュニケーションをとりながら、方向性を伝えます。リモートで曲作りする中でも、生の質感を残しておきたいという思いから、オオミ自身、生でドラムを叩いてたらどうするかということを考えて、細かなベロシティ(音の強弱)やフィルを打ち込んでくれています。自分のドラムへのこだわりが強いやつなので、今度配信で思う存分喋ってもらいたいと思っています。

ー2週目のベースアレンジでは、ベースとドラムで共通している方向性がありました。デモを聴いて各パートがアレンジをしていく中で、それぞれが最初に感じる方向性が被ることは多いんでしょうか? またどんな部分で音楽的なフィーリングが一致することが多いでしょう?

タノ:岩渕がデモを制作する段階でリファレンスにした音楽が共有されている場合は、ある程度具体的な方向性が全員みえているので、デモを聴いて最初に合わせる段階で方向性が大きくズレるということはあまりないです。その次のアレンジを詰めていく段階で、どう身体が動きたくなるか、どうやったらもっと気持ちよくなるか、どういう景色がみたいか等の抽象的、感覚的なイメージを話していく中で共有できて、そこから細かいレベルでアレンジをまとめることができるという部分にメンバー間の音楽的なフィーリングの一致を感じます。メンバー同士の他愛無い長時間のZOOM飲み会とかの中で、聴いてる音楽や見たライブ映像等を各々が喋りまくるので、そういうことが制作の時のイメージ共有に活きている気がします。

ー「Rocket」のミックスはスムーズにできたと仰っていましたが、他の2曲のミックスで拘られたポイントはどんなところでしょう?

浪越:まず、「Rocket」はすごくシンプルな曲なので、それぞれの楽器の音を調整して合わせると、すぐにバチッとピースがハマってかっこいいロックナンバーになりました。「SO YOUNG」は、多彩なコーラスとブルージーなギターリフが魅力な曲だと思うので、歌の広がりが気持ちいいブルースロックをイメージしてミックスしました。「Chameleon Man」は、これも”いなたい“ブルースロックに仕上げたかったが、それと同時にOasisのライブ映像を見たときのように広い景色が見えてくる曲にしたかったので、ドラムとベースの位置にこだわりました。

ー「SO YOUNG」についてはフル尺での公開もしていない段階でMVを自作で撮られていました。それだけメンバー内でこの曲に対する期待が大きかったということなのでしょうか? この曲に対しての考え方や想いなどをお聞かせください。

岩渕:自分が作ったデモの中でも、ライブでの風景がすごく見えるし、方向性が自分の中で固まっていたので、4曲の中でも推していたんですが、タノも浪越もこれはやりたいと言ってくれ、すんなりアレンジが進んで行った曲です。サビの開け方、全体を貫く前のめりな高揚感など、仕上がってくるにつれ、当初想定していたよりいいぞいいぞ!となり、今回MVを作ることにしました。曲のテーマとしては、若さ、それによる未熟さや拙さについて歌ってます。コロナにより、なかなか思うような活動ができず、活力はあるのに、それを表に出せないもどかしさが続き、4月頃は塞ぎ込んでいた時期もあったんですが、曲作りなり、配信なり、MVなり、家でできる様々な表現をこなしていくことで、自分を取り戻していったような感覚があって。思い通りにならずもどかしいこと、上手くいかないことの前で、もがき続けるのは意味あることだなーと気付いた、その経験を歌にしてます。MVも、今にしか撮れない映像を撮ろうとアイディア出して、満足いくものができました。



<リリース情報>



パノラマパナマタウン
ライブアルバム『Live at LIQUIDROOM 2020.1.19』

配信日:2020年6月17日(水)
各種主要配信サイトにて配信中
AppleMusic:https://music.apple.com/jp/album/id1516424627?app=music&ls=1
Spotify:http://open.spotify.com/album/5375Og8vno246TlDgZmyVB

パノラマパナマタウン
「PPT Online Studio」

毎週火曜日21時公開
パノラマパナマタウンYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC7Q4otUjEoecB0g0IMogI5g

Rolling Stone Japan 編集部

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