クイーンのロジャー・テイラーが語るコロナ禍の生活、『ボヘミアン・ラプソディ』続編の可能性

ツアー再開の見通し、アダム・ランバートへの想い

―早くステージに立ちたいと思いますか? 観客のエネルギーのうねりを感じたいと思いますか?

ロジャー:今年オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国をまわる大きなツアーをもうやっているから、今のところはステージに戻りたいという衝動はないね。でも来年ヨーロッパでけっこう大きなツアーを行うことになっている。みんながライブやギグに行き始める頃を見計らってツアーを開始する予定だ。そのためにも早くワクチンができることを祈っている。状況を見守るしかないけど。



―その時点でワクチンが開発されていなくてもステージに立って演奏するのはやぶさかではないと?

ロジャー:ワクチンができなかったらライブの開催も危ぶまれると思うな。観客のリスクがまったくないか非常に低いという状況なら、安心してライブを行えるね。みんながこれから1年後もマスクしていても驚かないし、どうなることやら。ほんと、他の人と同じで、僕も今後のことはわからない。

―私は去年のマディソン・スクエア・ガーデン公演を観たのですが、あの空間にはものすごいエネルギーと愛情が漂っていました。あの映画がクイーンの人気に拍車をかけたようです。過去にアメリカであれよりも多い観客の前で演奏したことがあるのかは知らないのですが……。

ロジャー:うん、去年のツアーに関してはその通りだと思う。全公演ソールドアウトだったし、僕たち全員が満足したツアーだった。たぶん、あの映画を観て楽しんだ若い世代のファンが増えたと思う。彼らはスポーツ・イベントなどで僕たちの曲を聞いたことがあったけどクイーンが何者か知らないって世代じゃないかな。世代を超えて新たなファンが増えて本当にありがたいね。

―ツアーごとにアダムの自信が増しているようにも思えます。ステージで演奏しているあなたもそれを実感しているのでは?

ロジャー:ほんと、その通りだ。アダムは一緒にやっていて100%楽しい男だよ。驚異的な声だし、驚くほどのプロフェッショナリズムだし、ユーモア・センスも最高だ。そういう点も一緒にステージに立つのが楽しい要因だね。今となってはアダム以外のシンガーと一緒にやることを想像できない。それほど彼とのプレイは楽しいんだよ。

―世界中を探し回ってやっとあのポジションに立てる人を得たという感じですかね?

ロジャー:いや、僕たちは探してすらいないよ。偶然そうなっただけ。アダムには生まれ持った才能がある。ステージ上でのカリスマ性も備えていて、それがエルヴィス的と言ったらいいのかな。カリスマという点でデヴィッド・チームとエルヴィス・チームに分かれるだろう? アダムはエルヴィス的で、本当に最高なんだ。それぐらいしか上手い褒め言葉が見つからないよ。あと、彼は最高の友だちで、ロサンゼルスではご近所さんだ。

Translated by Miki Nakayama

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