メンタルにも悪い影響を与える、現代社会におけるアイデンティティのジレンマ

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音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦が、世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」。第33回は、複数の自己を持つプロテウス的人間をテーマに産業カウンセラーの視点から考察する。

サカナクションの「アイデンティティ」のように、アイデンティティ(自我同一性・自己同一性)は、アーティストたちにもテーマとして取り上げられることが多い言葉です。これは、「自己を確認すること」であり、「他の人に対して自分を証明し、そして自分に対しても自分を証明すること」(*1)です。あるいは「自分が自分であるという一貫性、時間的連続性を持っている感覚」(*2)、という説明もあります。サカナクションでは「アイデンティティがない」とサビで歌われていますが、「アイデンティティの喪失」という場合、簡単に言えばそれは「自分が何者か分からなくなってしまう」ということです。そうなってしまうと、メンタルにも悪い影響が出てしまいます。


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