秋からの学校再開を熱望する米政府「科学が妨げとなってはいけない」と発言

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官 CNN/Screencap

新型コロナウイルスをめぐり、またもやトランプ政権から驚きの発言が飛び出した。秋に全米の学校再開を熱望する大統領は、「科学が妨げとなってはいけない」と主張した。

トランプ政権から新型コロナウイルスをめぐる仰天発言がここのところ連日飛び出している。

米現地時間7月16日、大統領報道官を務めるケイリー・マケナニー氏は新型コロナウイルスに関して、科学が秋に全米の学校再開を熱望する大統領の「妨げとなってはいけない」と主張した。

米国における新型コロナウイルスの新規感染者の爆発的な増加にともない、一部の学区はすでに秋のオンライン限定クラスの実施を決定している。このことを踏まえ、不安を抱く保護者に対してどのように説明するのか? という質問に対してマケナニー氏は次のように答えた。

「大統領は、学校を再開したいとはっきりおっしゃいました……大統領にとっての再開とは、毎日子どもたちが学校に通える完全な再開を意味します」とマケナニー氏は述べた。「科学がこの妨げとなってはいけません」。

さらにマケナニー氏は、学校を再開させた他国を例に挙げながら「科学は私たちの味方です」と言い添えた。だが米国と異なり、マケナニー氏が挙げた国々の多くでは感染率は劇的に減少している。

それに加えてマケナニー氏は、新型コロナウイルスが子どもたちの健康に与える影響について極めて楽観的な見方を展開し、子どもたちがウイルスを年配の親戚や教師、さらには他校の職員に広める可能性を無視した。

さらに米ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、子どもとティーンエイジャーの陽性率は増加傾向にある。西部カリフォルニアや南部ミシシッピといった州では、全体の感染者に対する子どもの割合が10%に達しようとしている。

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南フロリダ大学公衆衛生学疫学准教授のジェイソン・サレーミ氏は、仮に新型コロナウイルスに感染しても、子どもはウイルスに比較的うまく対処できるという考えについてブルームバーグに次のように語った。「(ウイルス感染によって)誰かが死なないからといって、その人に悪いことが起きないという確証はありません。たとえば、がんについて考えてみてください。気づかないうちに10〜20年にわたって悪性腫瘍が増殖するケースもあるのですから」とサレーミ氏は述べた。

Translated by Shoko Natori

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